田中将大が今季すでに7勝 心強い“超強力打線”はメジャー記録264HR超えの勢い
2018/06/04
Getty Images
スタントン、ジャッジら揃う打線…1997年のマリナーズ上回るか
ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、2日(日本時間3日)のボルティモア・オリオールズ戦で今季7勝目を挙げた。順調に勝利数を積み重ねているようにも見えるが、防御率は4.79と決して良いとは言えない。この勝利数の背景には、1つの要因として「打線の援護」がある。
特に今季のヤンキース打線の破壊力は凄まじく、公式サイト『MLB.com』ではヤンキース打線がチーム本塁打数のシーズン記録を更新する勢いであることを紹介している。
今季は、ジャンカルロ・スタントン外野手を新たに獲得し、アーロン・ジャッジ外野手と昨季の両リーグの本塁打王コンビを並べた超重量打線は順調に本塁打を量産。
5月の最終戦を終えた52試合終了時点で総本塁打数は87とMLBトップを快走している。これは1試合当たり約1.67本という数字で、このままのペースで行けばシーズン271本となり、1997年にシアトル・マリナーズがマークした264本を上回ることになる。
また、米データサイト『ファングラフ』でも、スタントン45本、ジャッジ42本、ゲリー・サンチェス捕手32本、ディーディー・グレゴリアス内野手26本、グレイバー・トーレス内野手24本など各打者の成績を打ち出し、そのシーズン合計本塁打は268本とこちらもシーズン記録更新を予測している。
『MLB.com』のコラムニスト、マイク・ペトリエーロ氏は「“このままのペースで行けば”という言葉にはしばしばダマされる」と述べ、「誰かが離脱したり、トレードされることもある」とコメントしつつも、その一方で「オリオールズのマニー・マチャド内野手のようなスラッガーがヤンキースの一員になっている可能性だってある」と言及する。
1997年のマリナーズはケン・グリフィー・ジュニア氏の56本、ジェイ・ビューナー氏の40本を筆頭に6選手が20本塁打以上を放つ破壊力を見せつけ、地区優勝を勝ち取った。
今季のヤンキースも、強力打線の力もあって宿敵ボストン・レッドソックスと激しい首位争いを繰り広げている。確かに「打線は水物」とはよく言われるが、今のヤンキース打線の勢いは一過性のものではなさそうだ。
田中、ルイス・セベリーノ、アロルディス・チャップマンをはじめとする強力投手陣に加え、打線のシーズン本塁打記録の更新が現実になるようであれば、2012年以来の地区優勝、そして2009年以来のワールドチャンピオンもまた現実のものになるかもしれない。