MLBドラフト、上位に「強打者」ズラリ 確実性と長打力備えた“スター候補”が夢舞台へ
2018/06/05
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MLBドラフト会議が4日(日本時間5日)に始まり、次々と選手が指名され夢舞台の扉を開いている。
メジャーリーグのドラフトは、昨季勝率の低いチームから順に指名をしていく「完全ウェーバー制」を採用。このことから、今回はデトロイト・タイガース、サンフランシスコ・ジャイアンツ、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・ホワイトソックス、シンシナティ・レッズなどの順で指名が開始された。上位指名を受けた選手は以下の通り。
【全体1位 タイガース:ケーシー・マイズ(オーバーン大)投手】
今年のドラフト全体1位は、デトロイト・タイガースから指名を受けたオーバーン大のケーシー・マイズ投手。150キロを超える速球とスプリット、スライダーを持ち味に、今季はノーヒット・ノーランを達成するなど16試合に先発し10勝5敗、防御率2.95の成績を収めている。109回2/3を投げ与四球はわずか12と制球が良いのも魅力だ。右投げ右打ち、身長192センチ、体重94キロ。
【全体2位 ジャイアンツ:ジョーイ・バート(ジョージア工科大)捕手】
全体2指名を受けたのは、ジョージア工科大のジョーイ・バート捕手。捕手の層が薄い今回のドラフトではトップの評価を受けている選手で、昨季までの2シーズンでそれぞれ打率.299、.296だったのが、今季は57試合の出場で220打数79安打、打率.359と大きく飛躍。12二塁打、16本塁打で長打率は.632をマークした。右投げ右打ち、身長192センチ、体重102キロ。
【全体3位 フィリーズ:アレク・ボーム(ウィチタ州立大)三塁手】
全体3位は、ウィチタ州立大のアレク・ボーム内野手。確実性とパワーを兼ね備えた大学球界屈指の選手で、3年連続で打率3割以上、二塁打以上の長打も毎年20本以上を重ねている。今季は57試合で224打数76安打、打率.339をマーク。14二塁打、16本塁打、長打率.625、出塁率.436はいずれも3年間で最高の数字だ。右投げ右打ち、身長198センチ、体重109キロ。
【全体4位 ホワイトソックス:ニック・マドリガル(オレゴン州立大)二塁手】
全体4位は、オレゴン州立大のニック・マドリガル内野手。身長177センチと小柄だが、打撃と守備の両面での評価が高く、同じポジションで昨季MVPを受賞したヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ内野手と比較される。3年連続で打率3割以上をマークし、今季は32試合の出場で133打数54安打、打率.406。大学3年間で計38二塁打、11三塁打、8本塁打を記録した長打力と、同時に35盗塁を記録した走力も光る。右投げ右打ち、身長174センチ、体重73キロ。
【全体5位 レッズ:ジョナサン・インディア(フロリダ大)三塁手】
全体5位は、フロリダ大のジョナサン・インディア内野手。米大学野球最高峰のリーグ(SEC)で今季飛躍した選手で、昨季.274だった打率は今季60試合の出場で.357に急上昇。12二塁打、18本塁打とパワーも十分にある。しかし、課題は守備で、今季は10個の失策を記録。レッズの三塁は現在エウヘニオ・スアレスが安定した守備でカバーしており、昨季全体3位で指名したニック・センゼルもスター候補であることから、ここにどうやって割って入るか注目される。右投げ右打ち、身長186センチ、体重84キロ。
全体上位指名30人のポジションの内訳は、投手11人(右投手8人、左投手3人)、捕手3人、内野手10人、外野手6人となっている。
全体を見ると投手の指名が多くなったが、上位指名では強打の野手が揃った印象。それも確実性と長打力を兼ね備えた優秀な選手が多く、「未来のスター」となる可能性を感じさせる。
3日間の日程で1000人を超える選手が指名されるメジャーリーグのドラフト。マイナーリーグを経て、何人の選手がメジャーの大舞台で活躍するだろうか。