大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » ニュース » アスレチックス1位指名の外野手、野球と大学アメフト両立へ 約5億円で入団合意と現地報道

アスレチックス1位指名の外野手、野球と大学アメフト両立へ 約5億円で入団合意と現地報道

2018/06/08

text By

photo

Getty Images



 オークランド・アスレチックスからドラフト1位指名(全体9位)を受けたカイラー・マーレイ外野手(オクラホマ大)が入団合意に達したと7日(日本時間8日)、『ESPN』など複数メディアが報じた。入団契約金は約5億円とみられる。
 
 現在20歳のマーレイは、オクラホマ大のアメリカン・フットボールチームのクオーターバック(QB)でもある。野球とアメフトのどちらを選ぶかが注目されていたが、少なくともあと1年はプロ野球選手と大学アメフト選手の両道を歩むことになった。アスレチックスとオクラホマ大はともにマーレイの選択に合意したと報じられている。
 
 NCAA(全米大学体育協会)は大学のチームに所属する選手を無報酬のアマチュアに限定しているが、あるスポーツの選手が別のスポーツから報酬を受けることはその規定に反しない。その結果、マーレイはプロ野球選手として約5億円の契約金を受け取りながら、アマチュアのアメフト選手として大学に在籍することになる。マーレイが現在受け取っているアメフト選手としての奨学金も引き続き支払われると同時に、大学アメフトの試合に出場するためにはNCAAが定める1学期12単位以上の取得も義務付けられる。
 
 驚くべきことにオクラホマ大アメフトチームのリンカーン・ライリー監督の年俸は約3億円であるが、マーレイはその監督よりさらに2億円以上の高給を稼ぐアマチュア選手としてチームに在籍することにもなる。
 
 オクラホマ大アメフトチームには昨年全米最優秀選手(ハイズマン・トロフィー)を受賞したベイカー・メイフィールドがいる。メイフィールドはNFLクリーブランド・ブラウンズからドラフト1位指名を受けている。そのため2017年シーズンでのマーレイのポジションは控えQBであったが、出場した試合では21パス中18を成功させ、タッチダウンを3つ記録するなど、QBとして非凡な成績を残している。2018年シーズンは正QBとして期待されている。
 
 野球選手としてのマーレイは俊足巧打の外野手で、2018年シーズンでは51試合に出場し、打率.296、ホームラン10本、盗塁10個を記録している。
 
 マーレイの体格は身長約180センチ、体重約88キロで、NFL(プロアメリカン・フットボール)のQBに進むにはやや小柄であると見られ、多くのメディアは2018年のアメフトシーズン終了時にはマーレイが最終的に野球を選ぶのではないかと予想している。
 
 かつてMLBと NFLの両方で活躍したボー・ジャクソン氏はMLBネットワークの質問に応じ、「現在のスポーツの世界は私達がプレーしていた頃よりはるかに多くのタレントがいる。この若者にどうしろとは言えないが、どちらを選ぶにしてもそれに専念する方が良い」と答えている。
 
 
文・角谷剛



error: Content is protected !!