元ソフトバンク投手が指摘、田中将大の「平均球速は上がっている」 カギは直球の制球力
FOXスポーツでアナリストを務めるニコースキーは、元MLB選手であり、かつてホークスにも在籍した。ニコースキーは田中将大の今シーズン注目すべきは、ストライクゾーンでの田中の直球の制球力だと指摘する。
2015/04/08
Getty Images
球速の低下に不安なし
田中将大は4月6日のブルージェイズ戦に今季初先発。結果だけを見れば、4回を投げて被安打5(被本塁打1本)、自責点4(5失点)、2四球と決して良いものではなかった。昨シーズン、途中で離脱する要因となった右肘は故障の再発も指摘されている。肘の負担を減らすためにツーシーム主体の配球にしたことで、球速も低下し、周囲に不安を与えた。
キャンプ終盤、メディアに対して田中は「以前よりも直球の球速が落ちることを自ら公言。しかしそれは新たな投球フォームを確立するため」だと語っていた。球速が落ちたことに対して、2年間ソフトバンクにも所属した元選手であり、現在は『FOX SPORTS』でMLBアナリストを務めるニコースキーも、球速の低下に対して不安を持つ必要はないと指摘する。
‘What Tanaka really meant was that he will be throwing more two-seam fastballs versus four-seam fastballs. Four seam fastballs are harder than their two-seam counterparts. Four seams are relatively straight; two-seam fastballs (sinkers) move horizontally, vertically, or both.’
田中の真意はフォーシームよりもツーシームをより投げるということだ。ツーシームに比べて、フォーシームのほうが強く腕を振る。フォーシームはどちらかと言えば真っ直ぐだが、ツーシーム(シンカー)は縦、横、もしくは両方に動く。
昨シーズン、そして開幕戦の球速をPitch F/X(野球の投手の投球速度や投球軌道を追跡するスピード測定器システム)から出してみた。
2014年、田中はフォーシームを501球投げ、その平均球速は91.1マイル(約146.6km)。MAXが95.6(約153.8km)マイル。今シーズン開幕戦のブルージェイズ戦では5球投げ、その平均が92.5マイル(約148.8km)。MAXが94.5マイル(約152.1km)であった。
一方、ツーシームは昨シーズン平均速度90.3マイル(約145.3km)、MAX94.7マイル(約152.4km)を記録しており、その数は450球。これを先日のブルージェイズ戦では22球投げ、その平均は91.1マイル(約146.6km) 。MAXが92.6マイル(約149km)であった。主な球種の割合として、統計データや分析記事を提供している『Fan Graphs』によると、直球は32.9%、スプリットが31.7%、スライダーが30.5%という割合だった。