大谷の挑戦が支えに――エンゼルスもう1人の二刀流選手、打撃好調のリリーフ左腕が歩む道とは
二刀流、大谷翔平投手が右肘靭帯を痛め故障者リスト入りしたロサンゼルス・エンゼルス。その傘下であるマイナー2Aには、大谷より先にエンゼルスの門を叩き二刀流の挑戦を続けている選手がいる。
2018/06/22
米マイナーリーグ公式サイトのスクリーンショット。
2015年にドラフト39巡目指名。2016年に投手に挑戦
現在2Aモービル・ベアーズに所属しているジャレッド・ウォルシュ内野手。彼が「もう1人の二刀流選手」を目指す人物だ。米国のマイナーリーグ公式サイト『MiLB.com』では一塁手として登録されているが、内野手としてだけではなく外野手、そしてリリーフ左腕としても活躍し数字を残している。
地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』が、この度そのウォルシュの活躍とこれまでの経緯を特集している。
ウォルシュは、高校時代に肘関節の靭帯置換手術を受けている。その影響でジョージア大に入った当初は打者に専念していたが、2年生の終わりに投手の道を探り調整を始め、高学年になってから先発ローテーションを任されるまでになった。これにより多くのスカウトが投手としてのウォルシュにも関心を示すこととなる。
当時ウォルシュは二刀流について「打者と投手の両面が大好きなんだ。両立するためにシーズンオフから準備する必要があるが、それでも絶対にやってみたい」と意欲を出していた。
そして、ウォルシュは2015年にエンゼルスからドラフト39巡目で指名を受ける。エンゼルスが評価したのは、まず打者の一面だった。入団直後の6月からルーキーリーグ2チームで計33試合にまず一塁手、指名打者として出場。そして120打数39安打で打率.325、二塁打12本、三塁打4本、本塁打2本を放ち、28打点を稼ぐ大活躍を見せた。
翌年2016年に1Aに昇格すると、球団はウォルシュをリリーフ投手としても起用する方針を打ち出し、「二刀流」としてのキャリアが始まった。
野手としては一塁の他に右翼手や左翼手と外野を任され、一塁手としては76試合で666イニングを守り、702回の守備機会に対し失策8個で守備率は.989をマーク。外野手としては23試合で200回2/3イニングを守り、42回の守備機会に対し失策は2個で守備率は.952をマークした。
そして打撃では、指名打者としての出場を含め109試合で393打数114安打、打率.290を記録すると、二塁打30本、三塁打1本、本塁打7本で29打点をたたき出した。
一方、新たな挑戦となった投手は、2試合の登板にとどまったものの1勝1敗。3回を投げて被安打3、与四球2、奪三振4、失点1で防御率3.00を記録。わずかな機会ではあったが、二刀流としての確かな一歩を踏み出した。