「ホームランか三振か」それでも一流打者に高い評価 MLB彩る本塁打量産の陰で三振も増加
2018/06/27
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本塁打は昨季の歴代最多本数に匹敵するハイペース
昨季2017年シーズンのメジャーリーグでは、年間本塁打数が6105本(1試合平均1.26本)となり、約150年の歴史上最多の年となった。今季もそれに匹敵するペースで量産されているが、一方で近年特有の傾向も発見されている。
今季2018年に入ってから現在までの1試合平均本塁打数は1.14本である。今季は昨年に比べるとやや減少傾向にあるものの、依然として歴代4位の高いペースを保っている。
これらの数字は、ステロイドの時代と呼ばれる1990年代後半から2000年代前半をも上回り、本塁打激増の原因を「飛ぶボール」とする説、打者たちが意識してフライを打つ「フライボール革命」とする説、など様々な要因が取り沙汰されている。
それでは近年は打者優位の時代なのかといえば、相反するデータもある。それは三振数の増加である。1試合ごとの平均三振数は2000年代に入ってからは右肩上がりで増加し続けており、2000年には6.45個だったものが、今季ここまでで8.56個となっている。
30年前(1988年)は平均本塁打数が0.76本、平均三振数が5.56個だったことを思えば、野球というゲームそのものの性質が変化しているとも言えるだろう。
三振の増加についても様々な原因が考えられる。近年メジャーリーグの投手の平均球速が上昇傾向にあることもその1つであるかもしれないし、打者が長打を狙いボール球にも手を出してくることが増えている可能性もある。
原因はともあれ、こうした全体の傾向は個々の選手の評価にも影響を及ぼしてくる。「ホームランか三振か」と以前なら揶揄の対象となったタイプの打者が一流と評価され、起用され続けるようになるのだ。