大谷翔平、復帰時期は妥当だったのか。 DL入りも経験、6年契約を有効活用すべき【小宮山悟の眼】
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が右肘内側側副靭帯の損傷から復帰した。復帰後4戦の成績は、12打数、2安打、3得点、1盗塁となっている。復帰時期は妥当だったのか。
2018/07/08
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投手として今季登板の可能性は低い
今回の復帰で一つ言えるのは、投手として今季登板する可能性は低くなったということだ。
離脱前と同じような調整とするなら、肘に負担が掛かる恐れがある。投手としての復帰を第一に考えているのなら、別の復帰プランがあったはずだ。
もっとも、現在のエンゼルスのチーム状態の影響もある。けが人が多く、打者・大谷に攻撃面の戦力として期待するところがあったのだろう。そのため、投手としての復帰があるとしても9月のポストシーズンを争う中で、どうしても投手が足りないとなった場合だろう。そうでない限りは無理をさせないのではないか。
投手としての今後の青写真は、3週間後の右肘の状態次第となる。
改善が見られたならば、少し強度を上げた投球に入る。その影響がなければ、8月くらいから週1回ブルペンに入る。問題なければ、ポストシーズンが掛かった9月の正念場で投げる方向で調整するのではないか。
投手復帰のスケジュールを明確に設定せずに進めていくということだ。
打者をメインとして、余裕を持った状況で投手として試運転をする。馬なりにやる中で状態が上がってきたら、万が一に備えて準備をするというレベル。ポストシーズン進出の可能性が消えた時点で無理はさせないということになるだろう。
ただ、右肘の状態が思わしくなかった場合は、オフに入った瞬間に手術するという可能性も出てくる。個人的には、劇的な改善が見られない限り、手術に踏み切るのではないかと思っている。もちろん、田中将大のようなケースもある。劇的に状態が改善し、手術しなくとも5、6年持つこともあり得る。