MLB球宴HRダービー、ハーパーが3人目本拠地V 投手の父と歓喜「ファンに見せられ幸運」
2018/07/17
1回戦、準決勝は早期決着。3戦とも後攻で“サヨナラ勝ち”
第89回MLBオールスターゲームの前夜祭「第34回ホームランダービー」が16日(日本時間17日)、ワシントン・ナショナルズの本拠地、ナショナルズ・パークで行われ、地元ナショナルズのスーパースター、ブライス・ハーパー外野手が初優勝を飾った。
出場した8人中唯一のホームランダービー経験者で第2シードのハーパーは、1回戦でまず出場選手最年長の28歳、第7シードのフレディ・フリーマン内野手と対戦。
4分間のレギュレーションで行われた戦いは、先攻のフリーマンが12本と苦戦する一方で、後攻のハーパーがいきなり本領を発揮する。地元ファンの大観衆を背に受け打席に入ると、父ロンさんが投げる球を次々にスタンドに運んだ。
1本目で逆方向の左中間スタンドに放り込んだのを皮切りに、センター、ライト方向へ広角に放物線を描いて前半だけで9本。この時点で440フィート(約134.1メートル)以上の本塁打を2本放っていたことから、30秒のボーナスが与えられた。しかし、45分間の休憩明けでいきなり465フィート(約141.7メートル)の一発を放ったのをはじめ、本塁打を量産。結局26秒を残して13本目を放ち早々と勝利を収めた。
続く準決勝では、1回戦で17本を放った第3シード、ロサンゼルス・ドジャースのマックス・マンシー内野手と対戦した。先攻のマンシーは、後半伸び悩み12本。それに対してハーパーは、開始15秒で1本目を放つと、その後なかなかスタンドを越えなかったものの、徐々にリズムを掴んで前半10本。休憩後の後半は残り1分33秒を残してあっという間に3本を放ってサヨナラ勝利。格の違いを見せつけた。
そして決勝。相手は準決勝で残り0秒でサヨナラ勝利を収めた第5シード、シカゴ・カブスのカイル・シュワーバー外野手だ。2戦で計37本を放っている先攻のシュワーバーは、5本目を放ったところでボーナス30秒を獲得すると、2回の休憩(1回目45秒、2回目35秒)を挟んで17本。そしてボーナスタイムに1本を加えて計18本で終了。後攻のハーパーにプレッシャーをかけた。
父ロンさんの体力が心配された後攻のハーパーは、時折コントロールに苦しむロンさんの球に対応しながらも、2回目の休憩に入るまで9本と伸びない。しかし、休憩明けのハーパーは優勝を願うファンと父の力投に応えるパフォーマンスを見せる。残り1分20秒で打席に入ると、球場の興奮と緊張が包み込む中、なんとここで9本もの本塁打を量産。制限時間ギリギリでシュワーバーの18本に追いついた。そして、それまでに獲得していた30秒ボーナスで、最後はセンター右へ434フィート(約132.2メートル)の第放物線を描いて勝利、初優勝を決めた。
“延長サヨナラ弾”で優勝を決めたハーパーは、その瞬間ロンさんの元へ駆け寄って、ロンさんを抱きかかえながら喜びを爆発。受け取ったトロフィーを誇らしげに掲げた。
本拠地開催のホームランダービーで優勝したのは、ライン・サンドバーグ氏、トッド・フレイジャー内野手以来、ハーパーが史上3人目。
優勝直後の地元放送局のインタビューでハーパーは、「何とかしないと負けると思って、フェンスに向かって叩き込もうとした。それで実現できて良かった。ここ(ナショナルズ・パーク)の観客はいつも好き。ありがとう!」と決勝の土壇場での勝利に興奮冷めやらぬ様子。
米公式サイト『MLB.com』によれば、3戦合計45本の本塁打を放ったハーパーは、最愛の父とともに飾った優勝について表彰式で「喜びを分かち合って、それをファンに見せることができたのは幸運なことだ。これは自分や家族やそう呼べる人たちみんなのものだけではなく、料理人、フロント、上層部で働く人のためのものでもある」と語り、そして「(ワシントン)D.C.市全体のためであり、ここでトロフィーを彼らのために掲げることができて本当に幸運だ」と地元の熱狂的なファンに感謝した。
翌日のオールスターゲームでは、「6番・センター」で先発出場する予定のハーパー。前夜祭でファンの興奮を最高潮に盛り上げた“主役”の活躍は、試合での活躍も十分予感させるものだった。
<第34回MLBホームランダービー>
【1回戦】第1試合
ヘスス・アギラ(ブリュワーズ) 12本
リース・ホスキンス(フィリーズ)17本〇
【1回戦】第2試合
カイル・シュワーバー(カブス) 16本〇
アレックス・ブレグマン(アストロズ)15本
【1回戦】第3試合
ハビア・バイエズ(カブス) 16本
マックス・マンシー(ドジャース)17本〇
【1回戦】第4試合
フレディ・フリーマン(ブレーブス)12本
ブライス・ハーパー(ナショナルズ)13本〇
【準決勝】第1試合
リース・ホスキンス 20本
カイル・シュワーバー 21本〇
【準決勝】第2試合
マックス・マンシー 12本
ブライス・ハーパー 13本〇
【決勝】
カイル・シュワーバー 18本
ブライス・ハーパー 19本〇
※各対戦は上が先攻、下が後攻。〇は勝者