ロイヤルズと契約、16歳の結城海斗。中卒でのメジャー挑戦は是か非か、10代マイナーリーガーを振り返る
2018/07/18
MLB公式サイトのスクリーンショット/Satoshi Asa
強豪校の誘いを蹴ってマイナー契約
カンザスシティ・ロイヤルズが8日、16歳の結城海斗投手とマイナー契約を結んだ。ダルビッシュ有投手(シカゴ・カブス)と同じ、大阪府羽曳野市出身の右腕ということもあり、「ダルビッシュ2世」と報じるメディアもあった。
昨年出場したリトルシニアの世界大会で、米国のマウンドに上がったことを機にあこがれを強めた。「甲子園よりメジャー」。大阪府内の強豪高校からの誘いに応じることなく、中学卒業後は進学せずに、メジャーリーグ(MLB)の外国人選手の最低契約年齢に達する16歳を待った。
ロイヤルズとの契約は7年。彼の将来を見込んだ球団の期待の表れとみる人もいるだろうが、的を射た見解とは言えないだろう。この年数は、MLB球団が外国でスカウトした選手と初めて契約を結ぶ際の相場である。
7年という期間は球団がその選手と独占的に契約を結べる「拘束期間」であり、球団はこの期間に契約を解除、つまりクビにすることもできる。しかし、実際には、ルーキーリーグや1Aクラスならば、クビになることはあまりない。それくらい薄給ならば、球団にとっては痛くもかゆくもなく、最下層のルーキーリーグならロースターの人数もさほど気にする必要がないからだ。
10代の選手がメジャー球団と契約を結ぶ例は、今回が初めてではない。野茂英雄氏が1995年に米国野球への扉をこじ開け、メジャーリーグブームが到来。1990年代後半から日本プロ野球のドラフト会議で指名されなかった高卒選手がメジャー球団と契約したこともある。