ロイヤルズと契約、16歳の結城海斗。中卒でのメジャー挑戦は是か非か、10代マイナーリーガーを振り返る
2018/07/18
MLB公式サイトのスクリーンショット/Satoshi Asa
2004年以降に激減した日本人アマ選手とMLB球団の契約
しかし、2004年以降、MLB球団による日本人アマチュア選手の契約は激減した。この年から昨年までMLB球団と契約したアマチュア選手の数は計18人。このうち10代の選手は8人だ。これはMLB球団が日本はプロ野球団によるアマチュア選手のスカウト網が確立されていると判断し、トッププロを一本釣りする方向に転換したためだろう。
10代でのメジャー挑戦はいばらの道と言わざるを得ない。社会経験が浅く、アイデンティティも確立しているとは言えない年齢でのマイナー生活は、野球そのもの以上に現地の生活に順応する困難にぶつかる。
10代で渡米した日本人元マイナーリーガー2人に話を聞いたことがある。2005年、ブレーブスと契約した濱岡巧は、その3年前にトライアウトを受験して合格していた。しかし、この時は年齢がネックとなって契約に至らず、高校卒業を待って契約した。担当スカウトは、結城と同じ大屋博行氏だった。
まずオーストラリアのアカデミーでプレーし、その後でフロリダのルーキーリーグに送られた。結局、濱岡は2シーズンで退団を申し出た。野球より、食事をはじめとする生活環境に慣れることができなかったのだという。その後、2009年に発足した関西独立リーグに参加したが、運営のずさんさに嫌気がさして一般社会人の道を選んだ。高卒で職歴の無かった彼は、セカンドキャリア構築に苦労しているようだった。
ルーキーリーグでプレー後、日本の独立リーグで現役を続行した選手には、島袋涼平がいる。彼の場合、在籍していた高校の野球部監督が解任されたことにより退学、16歳を迎えるのを待って同年7月にブレーブスと契約した。当時、史上最年少のMLB球団との契約とあって、スポーツ紙の1面を飾るなど大きく報じられた。しかし、3シーズンでルーキーリーグ上位くらすまでしかたどり着けず、BCリーグに参加した。昨年、メキシカンリーグに挑戦したが、数試合でリリースされた。