MLB球宴を彩った10発を徹底比較!“革命”の傾向顕著。最も美しい本塁打を放った「アーティスト」は?
MLBの「第89回オールスターゲーム」が18日(日本時間)、ワシントン・ナショナルズの本拠地ナショナルズ・パークで開催され、両チーム合計10本塁打が飛び交う空中戦をアメリカン・リーグが8-6で制し、2013年から続く連勝を6に伸ばした。見るものを興奮させたこの10本塁打には、一体どのような傾向があったのだろうか。
2018/07/19
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球宴らしく「速球勝負」多め。真ん中から低めを捉えた一発が10本中8本
オールスターゲームでの1試合10本塁打は、1971年に記録した6本を大きく上回る新記録。これらは公式ツイッターアカウント『MLB Stat of the Day』でも動画付きで紹介されている。
ア・リーグ、ナショナル・リーグそれぞれ5本ずつ本塁打が飛び出したが、全ての本塁打を米公式分析サイト『Statcast』で分析し、比較してみた。
10本塁打をそれぞれ比較してみると、様々な傾向が見られた。まず1つ目は、速球(フォーシーム、ツーシーム)を捉えたものがが多いこと。速球を弾き返したものは10本中8本。オールスターということもあり、投手もレギュラーシーズンやポストシーズンではなかなかできない「速球勝負」をしたい思いが勝っていることと、そもそも持ち味が速球という投手が多くいたことも影響しているだろう。
球速を見ても、デグロムが投げたツーシームの148キロ、ハップの148キロのフォーシーム以外は全て150キロ以上。最も速かったのは、スネルとモートンが放った157キロだった。ちなみに、8球の平均球速は152.8キロ。
2つ目の傾向は、バットで捉えた投球コース。近年はいわゆる“フライボール革命”によって本塁打が増加傾向にあると言われているように、低めの球を振りにいって本塁打にするケースがこのオールスターゲームでも見られた。
投球コース見てみると、真ん中から低めを捉えての本塁打は10本中8球。インサイドを捉えたストーリーも、実際は高さで言えば真ん中。ストライクゾーンより内側に入ってきたボール球とも言える難しい球だったが、見事に捉えてレフト方向へ引っ張り切った。