ヤンキース・守護神チャップマンが大乱調 痛めた左膝の影響か
2018/07/22
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ニューヨーク・ヤンキースの守護神アロルディス・チャップマン投手に異変か。ヤンキー・スタジアムで21日(日本時間22日)に行われたニューヨーク・ヤンキース対ニューヨーク・メッツ戦でのこと。いずれも本拠地をニューヨークに置くことから“サブウェイ・シリーズ”とも呼ばれるリーグ交流戦の終盤で波乱が起きた。4点差リードの9回に登板した守護神が大乱調で逆転のピンチを招いたのだ。
チャップマンは先頭打者をフルカウントから歩かせ、次打者には内野安打を打たれた。そこから2者連続でストレートの四球を与え、押し出しで1点を失った。さらに次打者には死球を投じ、2連続となる押し出しで2点目を与えた。結局1死も取ることができず、無死満塁で降板した。
この日は19球を投げて、ストライクはわずか3球。11球連続でボールを投げている。試合は急きょ登板したチェイセン・シュリーブが後続を1点で抑え、なんとかヤンキースがメッツを7-6で下した。
チャップマンの不調には前兆があった。この日からちょうど2週間前となる7月7日のトロント・ブルージェイズ戦で内野ゴロを追いかける際に左膝を痛め、わずか1死を奪っただけで降板した。その後の2試合は無難に2連続セーブを挙げたが、選出されていたオールスターゲームは休息をとるため、自ら出場を辞退。この日は、オールスターゲーム後初の登板だった。
チャップマンは左肩の炎症のため今季1回、故障者リスト(DL)入りしている。それとは別に、この日の乱調の原因となった左膝の炎症に5月上旬から苦しんでいると見られている。
DL入り期間中を除けば、チャップマンはシーズン前半戦を3勝0敗、26セーブ、防御率1.35、40イニングで68奪三振と盤石の成績を残している。メジャー最速球速の座こそジョーダン・ヒックスに奪われているとはいえ、チャップマン自身の今季最速も104.4マイル(168キロ)を記録し、例年通りの豪腕ぶりを見せていた。
現在のところ、ヤンキースは勝率6割を超えていながら、アメリカン・リーグ東地区2位。首位のボストン・レッドソックスに5ゲーム差をつけられている。ワイルド・カード争いでは断然トップであるが、2位のシアトル・マリナーズも好調で、プレーオフ進出には予断を許せない状況だ。
絶対的クローザーと見られてきたチャップマンの不調が長引くとすれば、ヤンキースに重大な危機が訪れたと言えるだろう。
文・角谷剛