大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » ニュース » カージナルス、2戦連続の“珍事”にみる新人投手の台頭 プレーオフ進出の起爆剤となるか

カージナルス、2戦連続の“珍事”にみる新人投手の台頭 プレーオフ進出の起爆剤となるか

2018/07/26

text By

photo

Getty Images



 セントルイス・カージナルスに2戦連続で“珍事”が起きた。新人2投手がともにメジャー初先発であわやノーヒットノーランという快投を演じたのだ。
 
 23日(日本時間24日)は、ダニエル・ポンセデレオン投手がメジャー初登板初先発で7回無安打の好投、翌24日(同25日)はオースティン・ゴンバー投手がメジャー初先発で7回1死まで無安打と続いた。いずれも敵地でのシンシナティ・レッズ戦で、2人とも快投とは裏腹に勝利投手にはなれなかった。
 
 ポンセデレオンは26歳。2014年ドラフト9位(全体285位)でカージナルスに入団した。17年5月、3Aの試合中に頭部にピッチャーライナー受け、脳手術を受けたため昨季はほとんどを故障欠場した。今季は3Aで開幕を迎え、メジャーに昇格するまで9勝3敗防御率2.15の好成績を残していた。
 
 メジャー初登板初先発となった23日、ポンセデレオンは7回を無安打無得点の快挙を遂げた。しかし、試合はカージナルスが終盤に逆転負けを喫した。さらにチーム事情により、快投の翌日に3Aに降格した。
 
 一方のゴンバーは24歳、ポンセデレオンと同じ14年ドラフト4位(全体135位)で入団。今年6月にメジャー初昇格を果たし、リリーフ投手として起用されていた。24日に初めて先発投手として登板すると、7回1死まで無安打とレッズ打線を抑え込んだ。
 
 だが不運なことに、7回途中に敵地グレート・アメリカンボールパークで故障により火災警報器が鳴り響くアクシデントが発生。試合は8分間中断し、試合再開後にゴンバーはシングルヒットを打たれ、無安打試合の夢は途絶えた。試合は延長11回の末、カージナルスがレッズを4-2で下しているが、ゴンバーには勝ち星はつかなかった。
 
 カージナルスは現在ナショナル・リーグ中地区4位だが、勝率5割をキープ。ワイルドカードからのプレーオフ進出にはまだ充分な望みを残している。オールスター・ゲーム直前の7月14日にマイク・マシーニー監督が解任され、ベンチコーチのマイク・シルト氏が監督代行を務めるというチーム状態ではあるが、その後も4勝4敗のイーブンペースを保っている。
 
 今季のカージナルスは新人ジョーダン・ヒックス投手がメジャー最速169キロを連発するなどの活躍で話題を呼んでいる。ポンセデレオンは26歳、ゴンバーは24歳と新人としてはそれほど若くはなく、注目度も低かった。だが、この2投手の台頭によってシリーズ後半巻き返しに向け、チームの勢いが増すかもしれない。
 
 本拠地ブッシュ・スタジアムの今季ここまでの集客率はメジャートップの96.2%と、カージナルスの地元セントルイスでの人気は抜群だ。チームのプレーオフ進出が現実味を帯びれば、熱狂的な応援で知られるセントルイス・ファンがさらに盛り上がりを見せることは間違いない。
 
 
文・角谷剛



error: Content is protected !!