前田健太、日本人メジャーリーガーらしからぬ成長曲線。チェンジアップの変化が奪三振増加の一因【小宮山悟の眼】
ロサンゼルス・ドジャースの前田健太のピッチングが今季から様変わりした。24日(日本時間25日)の前回登板は7回4失点で勝敗はつかなかったが、今季どのような変化を遂げているのか考えたい。
2018/07/29
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すべての球種が勝負球として使えている
前田は今季19試合に登板し、7勝5敗、防御率3.27、93回2/3を投げ、奪三振数は115となっている。昨季との大きな変化は、チェンジアップの精度とその使い方だと言える。
今季開幕にあたり前田本人は「チェンジアップを有効に使いたい」と語っており、そのイメージ通りに投げられているのだと思う。昨年までもチェンジアップは投げていたが、これまでは左打者対策として使っていた。しかし、今季は左打者だけでなく、右打者にも効果的に使える目途が立ったように映る。奪三振が増えた要因でもあるだろう。
前田のチェンジアップは、左打者にとっては遠くに沈むような変化をする。よりまっすぐに近い軌道を描きながら逃げている。今後、彼の代名詞ともなりうる質の高いボールになってきている。
左打者への決め球としても有効であり、カウントを取りにいけるようになったことも大きい。昨季まではカウントを取るためにチェンジアップを投じる際は、怖さを感じていたようだが、現在の変化だとバットに当たらないと自信を持って使っている。
打者からすると、昨季まではスライダーが決め球だったが、そこにチェンジアップも加わった。ストレートも94~95マイル(約151~153キロ)の強いボールになってきているので的が絞りにくくなっている。すべての球種が勝負球として使えているのだ。