田中、三塁踏ませない粘投で9勝目 冴えたスプリット&スライダー、三振以外は全て変化球
2018/08/01
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ボール先行目立つも、要所締めて流れ作る
ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は7月31日(日本時間8月1日)、本拠地ヤンキー・スタジアムでのボルティモア・オリオールズ戦に先発登板し、6回無失点の好投で今季9勝目を挙げた。
前回登板で完封勝利を収めている田中は、この日は日系4世のカイル・ヒガシオカ捕手とバッテリーを組み、6回105球(ストライク66球)を投げ被安打3、与四死球3、奪三振8、無失点の好投で今季9勝目を挙げている。
この日の田中は走者を出しても生還を許さない“粘投”が光った。ストライク率は62.9%にとどまり、ボール先行のカウントが目立つシーンもあったが、要所を三振、併殺に打ち取って試合の流れを最後までオリオールズに渡さなかったのが勝利の要因だ。
初回は31球を要した。打者5人に対し初球ストライクは先頭打者のみ、フルカウントまでもつれた打席は3度もあった。それでも、1死一、二塁から4番の指名打者マーク・トランボを6球目の88.2マイル(約142キロ)のスプリットで空振り三振、続くクリス・デービス内野手に対しても7球を要しながら最後はスプリットで二ゴロに打ち取りピンチを脱している。
球種別の割合は最速93.8マイル(約151キロ)の速球が18球、スライダーが33球、スプリットが38球、シンカーが8球、カットボールとカーブがともに4球ずつ。そして、アウトの内訳はゴロアウトが6(併殺含む)、フライアウト4、奪三振が8となっている。
それぞれのアウトの最終球を見てみると、ゴロアウトはスプリットが3度、スライダーが2度。フライアウトはスプリットが3度に対し、カーブで1度。そして奪三振は、スプリットで4度、スライダーと速球で2度ずつと得意球を万遍なく使って仕留めていた。
この試合、田中は3度得点圏に走者を進めたが、本塁どころか三塁も踏ませなかった。これは前回の登板に引き続き2試合連続のことで、シーズン後半に入り田中の調子が上向きのまま維持されていることが分かる。
6月18日(同19日)から21日(同22日)にかけての4連勝以来となる3連勝を飾ったヤンキースは、この日敗れたアメリカン・リーグ東地区首位のボストン・レッドソックスとの差を5.0ゲームに縮めた。
そして、田中の最近2試合は中8日、中6日と間隔が空いているが、チームの好調ぶりに対して次戦以降どのようなスケジュールで登板していくのかが注目される。