「次の大谷翔平」続々…レイズに新たな二刀流選手が出現 独自育成方法はスタンダードになるか
2018/08/05
Getty Images
投打に好調!タナ―・ドッドソン21歳
ブレンダン・マッケイ投手に続き、タンパベイ・レイズ傘下に新たな二刀流選手が生まれつつある。レイズ傘下1Aショート・リーグのハドソン・バレー・レネゲーズに所属する新人タナ―・ドッドソン投手がその人物だ。
ドッドソンは、3日(日本時間4日)現在まで投手としては5試合13回2/3イニングを投げ、失点は僅か1点のみで、防御率は0.66。野手としてはセンターを守るか、あるいは指名打者として出場し、どちらの場合も打順は2番のときが最も多い。同じく4日(同5日)まで打者としては30試合に出場し、打率は.285の好成績を残している。
ドッドソンはカリフォルニア州出身の21歳。高校卒業時にニューヨーク・メッツからドラフト31位指名を受けたが、その時は入団を拒否し、カリフォルニア大学バークレー校に進学した。同大学3年生時に投手として防御率2.48、打者としては打率.320の好成績を挙げ、2018年ドラフトでレイズから補完指名(全体71位)された。身長約185センチ、体重約73キロと細身で、投手としては150キロ超の速球を投げ、野手としては俊足巧打のタイプだ。
レイズは左腕のマッケイ、右腕のドッドソンという2人の二刀流選手を同時に傘下マイナー組織で育成しているわけだが、2人とも下に挙げるパターンで、基本的に同じ方法で起用している。
(1)投手としては中5日で登板する。マッケイは先発、ドッドソンはロング・リリーフ
(2)投手として登板する試合の前後日は指名打者で出場する
(3)登板間隔の中間日に1試合欠場する(ブルペン練習を行う)
(4)欠場日の前後は野手として出場する。マッケイは一塁、ドッドソンはセンター
ドッドソンが現在所属している1Aショート・リーグはその名の通り、6月中旬から9月初めまでの期間のみ行われ、各チームのシーズン試合数は75~80程度に過ぎない。選手の多くがその年に入団した新人かキャリア数年の若手で構成され、実質上はルーキーリーグに近い。ドッドソンが二刀流選手としてフルシーズン出場に挑むのは来季以降のことになる。
マッケイも1年目は1Aショート・リーグでプロ・デビューを果たし、翌2018年から本格的な二刀流選手としてフルシーズン出場への挑戦を始めている。
レイズは二刀流選手をシーズンを通して起用するこの初めての試みを「実験」(experiment)と呼び、マイナー組織を挙げてマッケイとドッドソンの育成に力を注いでいる。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手がシーズン前の予想を大幅に上回る大活躍を見せたこともあって、メディアがマッケイを紹介する際に「次の大谷翔平」と呼ぶことが多いが、あるいは第2、第3のマッケイと呼ばれる選手が誕生してくるのかもしれない。