リーグ最強の1番打者に?打率4割超、絶好調の青木宣親【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、開幕から絶好調のサンフランシスコ・ジャイアンツの青木宣親についてだ。開幕から全打席の結果をまとめてみた。
2015/04/15
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優れた選球眼でしぶとく球を見極める
今年からサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍した青木宣親が絶好調だ。開幕から8試合連続安打、打率は4割をキープしている。
青木の開幕以降の全打撃結果をまとめた。すべて1番左翼で先発している。NPは青木が投げさせた投球数である。
第1打席は7打数3安打1四球、出塁率は.500、しっかりチャンスメークをしている。
1番打者の場合、3打席目までは先発投手と対戦することが多い。青木は各チームのエース級に対しても、20打数10安打、4四球、打率.500、出塁率.583と打ち込んでいる。
三振はわずか3つ。四球は4つ、よく球を見極めている。
さらに、青木はここまで8試合38打席で投手に156球を投げさせている。1打席あたり4.11球。これはリーグトップクラス。9球を投げさせた打席が2度もある。しぶとく球を見極め、投手を消耗させる。投手にとっては、いやらしい打者なのだ。
各球団にとって、まず青木をどう打ち取るかが問題になっているはずだ。
さらに青木の打球を方角別に見てみた。表の数字は、打数―安打数を示している。
14本の安打はすべて外野。広い外野エリアに安打を打ち分けている。
外野へ飛んだ飛球は20打数14安打で打率.700。外野飛球の打率はリーグ平均でも5割を超すが、それにしても高い。
そして内野安打が1本もない。
数字が意味するところは単純なようだが、「青木は非常に調子が良い」ということだ。バットの芯でボールをとらえている。運良く安打になったような打球はほとんどなかったのだ。
開幕当初は左翼線への流し打ちが目立っていた。意識して逆方向に飛ばそうとしていたようだが、次第に引っ張る打球も増えてきた。コースにあわせて、自分の打撃ができているともいえるだろう。