メジャー球速ランキングに第3の男が出現。チャップマン、ヒックスを脅かすマーリンズ右腕とは
2018/08/23
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「チャップマン・フィルター」が消える日も近い?
「スタットキャスト」の球速ランキングは、「チャップマン・フィルター」というオプションがある。これまで最速50球のほとんどをチャップマンが占めていたため、「チャップマンを含めたトップ50」と「チャップマンを除くトップ50」に分けて表示できる。
昨年までこのオプションは機能していた。何しろ、トップ50球のうち、チャップマンが投じたのは2017年が44球、2016年が49球だった。だが、ヒックス、ゲレーロの両新人の出現により、このオプションが姿を消すことになるかもしれない。
これはチャップマンの力が衰えたということではない。彼の今季最速は168キロで昨年の自身の最速記録を上回っているのだ。
3人は実に高い次元で争っている。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が北海道日本ハムファイターズ時代に記録したプロ野球史上最速165キロがメジャー今季最速トップ50に入らないことからもうかがい知れる。
21日(日本時間22日)のヤンキース対マーリンズ戦は、メジャー最速投手の勢力図が書き換わりつつあることを象徴するような試合になった。
先発したヤンキースの田中将大投手が6回1失点と好投したこの試合、7回表に1-1の場面でマーリンズのゲレーロが登板した。1安打を許したが、3アウト全てを三振で奪う快投。ゲレーロはこの日18球を投じ、そのうち16球がフォーシーム速球、160キロ超えが14球だった。
一方、延長12回裏1点リードという絶好の場面で登板したヤンキースのチャップマン。わずか6球を投げたところで、左膝に痛みを訴え緊急降板してしまった。チャップマンは7月21日にも同じ左膝の不調からと見られる大乱調を演じた。22日(同23日)にはMRI検査を受け、10日間の故障者リスト(DL)入りが発表された。