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ブルージェイズ、エース候補は日系ブラジル人右腕。15歳で球速150キロ超の逸材とは

2018/08/30

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 トロント・ブルージェイズ傘下に順調な成長を遂げる17歳の有望株がいる。ルーキーリーグに所属する右腕エリック・パルディーニョ投手。「Eric Eiji Taniguchi Pardinho(エリック・エイジ・タニグチ・パルディーニョ)」がフルネームの日系ブラジル人だ。
 
 米公式サイト『MLB.com』の有望株選手ランキングは、パルディーニョをブルージェイズ傘下の14位、国際部門では6位と高く評価。28日(日本時間29日)には、特集記事を掲載した。
 
 ブラジル出身の現役メジャー選手は5人。他の南米諸国と比べてもさほど多くはない。第1号選手は今年のオールスターにも選出されたクリーブランド・インディアンスのヤン・ゴームズ捕手だ。
 
 ブラジルに野球を伝えたのは米国人ではあるが、むしろ日系人社会のスポーツとして知られてきた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ブラジル代表選手の多くが日本で活躍する日系人で占められていたように、ブラジル野球はメジャーより日本野球との結びつきが強い。
 
 日系2世の母親を持つパルディーニョの出身地は、サンパウロ州バストス。戦前からの日系入植地で、現在も多くの日系人が住み、日系人の野球クラブが存在する。さらにパルディーニョは、12歳からの3年間、サンパウロ州イビウーナのヤクルト野球アカデミーで日本式の野球を学んでいる。
 
 パルディーニョの名前が最初に国際的に知られたのは、2016年WBC予選ラウンドだ。ニューヨークで行われたブラジル対パキスタン戦に登板したパルディーニョは、当時15歳ながらも150キロを超える速球を投げて、メジャーリーグのスカウト陣から大いに注目を集めた。
 
 2017年7月に海外フリーエージェント選手としてブルージェイズと契約し、今季からルーキーリーグのブルーフィールド・ブルージェイズでマイナーリーグ選手としてのキャリアを始めている。
 
 ルーキーリーグは6月中旬から8月末までの短いシーズンだ。パルディーニョは11試合に登板し、3勝2敗、防御率2.88、50イニングで64奪三振の好成績を残している。登板日を見てみると、ほぼ週に1回のペースで先発登板し、毎試合4イニングから最大7イニングまで、投球数も最大85球まで、となっており、ブルージェイズがパルディーニョを将来のエース候補として慎重に育成していることが窺える。
 
 ブルーフィールド・ブルージェイズは所属するアパランチ・リーグでプレイオフ進出を既に決めており、同リーグの準決勝シリーズは8月31日~9月2日に渡って行われる。パルディーニョの最後の登板は8月25日。前述した1週間の登板間隔からしてもタイミングは良く、よりプレッシャーのかかるプレイオフでの登板も充分に可能性がある。
 
 マイナーリーグ公式サイトの選手プロフィールによると、パルディーニョは身長約178センチ、体重は約70キロとなっており、体格面からもまだ成長途上と見られている。日本野球をルーツに持つパルディーニョが来年以降どのような活躍を見せてくれるかが楽しみだ。
 
 
角谷剛



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