青木宣親、ライト起用の意図 世界一ジャイアンツ・ボウチー監督、我慢の用兵術
前年世界一ながら、ここまで低迷のジャイアンツ。ボウチー監督は、青木をレフトではなくライトで起用するなど守備をシャッフルしてまで、マギーら不振の打者達に辛抱強く出場機会を与えている。
2015/04/21
Getty Images
正ポジションをシャッフルした指揮官
昨季のワールドチャンピオンながら、開幕から苦戦が続くジャイアンツのブルース・ボウチー監督は、4月19日のダイヤモンドバックス戦で、一見不可思議なスタメンを編成した。それは、一見理解しがたいものだったが、長いシーズンを勝ち抜くには必要な試みだった。
1. 右 青木宣親
2. 二 ジョー・パニック
3. 中 エンジェル・パガーン
4. 一 バスター・ポージー
5. 左 ブランドン・ベルト
6. 三 ケーシー・マギー
7. 捕 アンドリュー・スーサック
8. 遊 ブランドン・クロフォード
9. 投 ティム・ハドソン
注目すべきは、青木宣親をレフトからライトに回している点だ。ジャイアンツの本拠地AT&Tパークは右中間が広く、ここにやや守備に難があると言われている青木を配したのだ。青木はロイヤルズ在籍の昨年のワールドシリーズで、AT&Tパークでのゲームではスタメンから外れた。これは彼の守備への懸念も理由のひとつだった。
青木を動かしたレフトには、本来一塁手で打撃不振のブランドン・ベルトを入れている。正捕手の主砲バスター・ポージーを一塁に配置した。
捕手にアンドリュー・スーサックを起用するのは、ナイトゲーム翌日のデーゲームではよくあることだが、不振のケーシー・マギー(元楽天)を、好調で伸び盛りのマット・ダフィーではなく三塁で先発出場させている。この点について、『サンフランシスコ・クロニクル』紙記者のヘンリー・シュルマンはこう述べている。
We had a hunch why even before we asked Bochy the question. McGehee was acquired to play third base. Belt is a key to the lineup. Bochy wants both to keep playing in hopes they’ll shake their slumps.
Short-term risk for a long-term benefit.
われわれはボウチーに質問するまでもなく、この起用の理由を理解している。マギーは正三塁手として獲得した選手だし、ベルトは打線のキーマンだ。ボウチーは両選手の出場機会をしっかり確保し、スランプから抜け出てほしいのだ。短期的にはリスクがあるが、長い目で見ると必要な措置なのだ。