明暗分けたWCゲーム視聴率 ナ・リーグは前年比62%増。白熱の延長戦でピークは深夜11時
2018/10/07
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タイブレーク戦の興奮そのままに、緊迫した接戦にファン熱狂
MLBのポストシーズンが始まった。アメリカン・リーグは9月の早い時期にプレーオフ進出可能な5チームがほぼ決まっていたが、ナショナル・リーグはレギュラーシーズン終了時点に中地区と西地区でそれぞれ2チームが同率トップで並び、タイブレークが行われるというMLB史上初の出来事までを呼びこむ大接戦となった。
自然とポストシーズンが近づくにつれ、ファンの注目はナ・リーグに集まった。そして、その注目度の差は両リーグの1試合のみ開催のワイルドカードゲームのテレビ視聴率にそのまま反映される結果となった。
10月2日(日本時間3日)に行われたナ・リーグのワイルドカードゲームは前日のタイブレーク戦の興奮がそのまま持ち込まれた。タイブレーク戦の敗者同士、シカゴ・カブス対コロラド・ロッキーズの一戦は延長13回までもつれる試合の結果、ロッキーズがカブスを2-1で下している。
スポーツメディア解析サイト『Sports Media Watch』によると、この試合を中継した米放送局『ESPN』の平均視聴率は4.2%、視聴者数は699万世帯に及んだ。これらの数値は昨季の同リーグのワイルドカードゲームの平均視聴率2.6%、視聴者数440万世帯を大幅に上回っている。視聴率でいえば、前年比の約62%増と言う結果だ。東海岸時間午前1時まで続いたこの試合で、視聴率がピークに達したのは同午後11時から11時30分までの間だった。
一方で、ア・リーグのワイルドカード戦は10月3日(日本時間4日)にニューヨーク・ヤンキース対オークランド・アスレチックスの対戦で行われた。試合は7-2でヤンキースが勝利。同じく『Sports Media Watch』によると、この試合を中継した米放送局『tbs』の平均視聴率は3.8%、視聴者数は616万世帯だった。これらは、昨季の同リーグのワイルドカードゲームの平均視聴率4.2%、視聴者数683万世帯から落ち込み、上に挙げたナ・リーグの数値と比べても下回る結果となっている。
だが、地区シリーズに突入すると、ア・リーグのボストン・レッドソックス対ヤンキースというメジャー屈指の伝統カードはさすがの人気ぶり。10月5日(同6日)の同シリーズ第1戦を中継した『tbs』の平均視聴率は4.4%で、ディビジョン・シリーズ第1戦の視聴率としては2010年以来最高の数値になった。東海岸時間午後7時31分に開始された試合で、視聴率がピークに達したのは同午後8時45分から9時までの間で、その間の視聴率は5%に達した。
ポストシーズンは始まったばかり。現在進行中の地区シリーズ(5回戦制)の後にも、リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)、ワールドシリーズ(7回戦制)と約1カ月に及ぶ長い戦いが続いていく。今後の盛り上がりに期待したい。