日米通算での得点日本記録を機に、米メディアが最認識するイチローの「もし」
イチローが王貞治の通算得点日本記録を日米通算で抜いたことは、今後の数多くの記録達成への序曲だ。彼は、「もっと早くからメジャーでプレーしていれば」という想像力も掻き立ててくれる存在でもあるようだ。
2015/04/28
Getty Images
得点日本記録は、他の大記録への予告編
スポーツブログのポータルサイト『SBネーション』に、デメトリウス・ベル記者による「イチローはマイルストーンを達成し続ける」という記事で下記のように報じた。
これは、マーリンズのイチローが4月25日のナショナルズ戦で日米通算1968得点を記録し、王貞治を抜いたことを機に、今後の彼の記録達成に関する可能性を紹介したものだ。
It’s not often that you get a chance to talk about the presumed fourth outfielder on a team that’s started out the season 7-11. Then again, Ichiro Suzuki isn’t like most fourth outfielders in baseball. The 41-year-old future-hall-of-famer reached yet another milestone on Saturday by scoring the 1,968th run of his career. That is now the new record for Japanese-born players, which means that he’s officially overthrown the legendary Sadaharu Oh as the Japanese run king.
開幕からここまで7勝11敗(訳者注 記事掲載の4月26日時点でのもの。以下個人記録に関するものも同様)のチームで、第4の外野手とみられていた選手について語る機会はそうあるものではない。しかし、もう一度言おう。イチローは他球団の第4の外野手とは違うのだ。この41歳の将来の殿堂入り選手は、土曜日に通算1968得点という新たなるマイルストーンに達した。これは日本出身選手にとっての新記録だ。彼は伝説の王貞治の得点日本記録を正式に(訳者注 NPBは「日米通算」を公式記録と認定していないが)抜いたのだ。
安打数や本塁打数に比べ比較的地味な得点で、かつ公式記録ではない「日米通算」での日本記録達成が米メディアで取り上げられたのは、いくつか理由がある。まずは、イチローと王貞治というふたつのビッグネームが関わったニュースだからだ。通算868本塁打の王貞治は、アメリカでも「野球にある程度の関心がある人なら、ほぼ誰でも知っている存在」だと言っていいだろう。
もう一つの理由は、今回の「日米通算での得点の日本記録」は今後期待される他の大記録の予告編だ。まずメジャー通算500盗塁だ。あと13個に迫っているこの記録を達成すれば、歴代38番目になる(なおドジャースのカール・クロフォードも残り30個に迫っている)。
In addition to becoming the all-time Japanese leader in runs, Ichiro’s still got a few more milestones left to hit. While he’ll probably be fortunate to hit some of them, there’s one milestone that’s definitely within reach: 500 stolen bases. He’s currently 13 away from that number, and should he get more time on the field with the Miami Marlins (he’s played in all 18 games this season and started the past five), surely he’ll be in a position to swipe some bases. He stole 15 bases last year playing 143 games for the Yankees, so it’s certainly not out of the question.
得点の日本記録を樹立しただけでなく、イチローはもういくつか達成圏内の記録がある。そのうちのいくつかは達成する可能性があるというレベルだが、一方で十分達成可能なものもある。それは500盗塁だ。あと13個だ。彼がもっと出場の機会をマイアミ・マーリンズで得れば(ここまで全18試合に出場し、うち5試合ではスタメンだった)、まちがいなく盗塁数を増やしていくだろう。昨季はヤンキースで143試合に出場し15盗塁だった。十分達成の可能性がある。