得点記録更新も、王氏との比較をやんわり拒んだイチロー 次なる標的は安打記録
マーリンズのイチローが、また新たなマイルストーンを打ち立てた。王貞治氏の持つプロ野球記録1967得点を更新したのだ。しかし、イチローは王氏へ敬意を示し、この記録に対して多くのことを語らなかった。
2015/04/29
Getty Images
次なる標的は、安打記録
ではメジャーの得点上位に目を移すとどうか。こちらは歴代1位のリッキー・ヘンダーソン(3081試合、2295得点)は1番打者タイプ。2位のタイ・カッブ(3034試合、2246得点)は巧打者タイプと、イチローと共通項の多い2人が並ぶ。
1試合あたりの平均得点は、面白いことに両者とも「0.74」得点でピタリ。ちなみにイチローは、メジャーに限れば2222試合で1310得点。1試合平均は「0.59」得点となる。ここでも水を開けられる結果となった。
ただ、これらは01~12年まで在籍したマリナーズが、初年度の01年を除いて、長く低迷していたことが一番の原因だ。
イチローは「人に還してもらう記録なので」と付け加えた。ましてやホームラン打者タイプでないなら、なおさらだ。ここで挙げた王氏以外の選手が効率よく得点できている背景は、後を打つ優れた味方打線に恵まれていたことに他ならない。
もちろん攻撃の起点となる1番打者である以上、最もチームの勝利に貢献できる記録が得点でもある。積み重ねた日本新記録は、それだけチームの勝利に寄与してきた勲章であり、色あせることはない。
次なる標的は、自らのバット1本で積み重ねてきた安打記録。王氏の本塁打と同じく、世界記録であるピート・ローズ氏の4256安打が、じわりじわりと近付いてきた。
28日終了時点で、イチローは日米通算4138安打。世界の頂まで、あと118本だ。
その先には、メジャー通算3000安打の節目も、あと140本と迫ってきている。レギュラーの左翼手だったイエリッチは、軽度の椎間板ヘルニアで故障者リスト入りした。当面は先発出場が続く見込みで、一気に量産モードに入りたいところ。
今回は得点記録そのものにはあまり言及せずに、あくまで王氏へのリスペクトを表現したイチロー。次なる安打記録達成の際には、独特の語り口で「安打」についてのメッセージがほしい。他の何よりも、イチローの代名詞となる記録のはずだから。
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