菊池雄星の代理人スコット・ボラス氏とは? MLBで最も影響力のある辣腕家、大手事務所と一線を画す異質な存在
2018/11/23
Getty Images
ポスティングによるメジャーリーグ移籍を希望している埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手がスコット・ボラス氏と契約を結んだことが報じられた。過去にアレックス・ロドリゲスなど超巨額契約を次々と手掛けたことで知られる代理人だ。菊池の正式なポスティング公示はまだだが、ボラス氏と代理人契約を結んだことで、メジャーリーグ移籍は事実上動き始めたとみていいだろう。
2006年には松坂大輔の巨額契約を実現
ボラス氏は、2006年に松坂大輔投手(現中日ドラゴンズ)が西武からボストン・レッドソックスに移籍した際、総額5200万ドル(約58億8900万円)の巨額契約をも実現させた。現在、菊池の他にもブライス・ハーパー外野手(ワシントン・ナショナルズ)など、今季のフリーエージェント(FA)市場を左右する大物を複数クライアントに抱えている。
メジャーリーグにおいては、最も影響力のある代理人と言える。強面のする風貌と歯に衣を着せぬコメントで、メジャーリーグのご意見番のような存在でもある。シーズンオフになるとメジャーリーグの様々な話題に対する氏の言動が連日のようにメディアで報道される。
そのボラス氏だが、個人として最も有名な代理人であっても、スポーツ代理人業界の最大手というわけではない。大手経済紙『フォーブス』の発表によると、ボラス氏の事務所「ボラス・コーポレーション」はスポーツ代理人の業界5位である。ちなみに業界1位はメッツの新GMボロディ・バンワガネン氏が在籍していた「CAA」で、ボラス氏の約5倍の契約額を管理下においている。
ボラス氏が注目を集めるのは、ボラス氏個人のキャラクターと実績に拠る部分が多い。ボラス氏とその事務所ボラス・コーポレーションには、他の大手代理人事務所と比べて、異質とも言える点が4つある。