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DL入りも、田中将大の新しい投手像はすでに完成【小宮山悟の眼】

ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が4月29日、右手首のけん炎と右前腕部の張りのため15日間のDL(故障者リスト)に入った。しかし、今季取り組んでいる「力感のないフォームから打たせて取る」投球スタイルへの変換は、田中の進化につながるはずだ。

2015/05/04

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 ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が4月29日、右手首のけん炎と右前腕部の張りのため15日間のDL(故障者リスト)に入った。18日のレイズ戦で7回無失点の内容で2勝目を挙げ、22日のタイガース戦でも7回途中1失点の好投を披露。調子が上がってきたと映っていた時期だけに残念の一言だ。

 患部に疲れが溜まり、ローテーションを数回飛ばすためにアクティブロースターから抹消しただけなのか。それとも、意外とその症状は重いのか。現時点では、確かな情報がないので、このDL入りについての見解は、また別に機会に触れたいと思う。そこで今回は、そのDL入り前の登板について語りながら、彼の目指すべき新しい投手像に迫ってみたい。

メジャーでは省エネ投球が必須

 多くの方がご存じのように、昨シーズン右ひじを故障した田中は今季、投球スタイルを変化させた。一般的なイメージで語れば、打者をねじ伏せる投球から、打たせて取る投球へ。そのことに、メディア、ファンの間では賛否わかれた意見が沸き起こっているようだ。どちらの意見が正しいかはさておき、一つだけ言えることは、今年2月、タンパで田中に会った時、「今季はツーシームを使いながら、バッターにコンタクトしていきたい」と言っていたように、本人がその新しいスタイルを目指しているということ。

 メジャーの先発投手なら誰もが、「できるだけ球数を少なくしたい」と思っている。当たり前の考え方だ。見ている方には力感がないフォームは、物足りなく映るかもしれない。ただ、その物足りなさを一番実感しているのは田中本人だろう。力いっぱい投げないと、いわゆる「投げている感」がないので、どうしても戸惑ってしまうもの。そんな状況であるはずなのに、スムースにスタイルチェンジできている点が、田中がいかに投手として器用かということを表している。

 力感がないということは、言い換えればリラックスしているということだ。昨年までの力み切っていたスタイルから脱却し、田中は進化しようとしている。

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