FAのアストロズ・カイケル、移籍先はレッズなどが有力か 15年サイ・ヤング投手の去就はいかに
2018/11/30
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ヒューストン・アストロズからフリーエージェント(FA)となっているダラス・カイケル投手の去就が注目を集めている。移籍が濃厚な左腕だが、他のFA選手たちの動向によっても移籍先は左右されそうだ。米公式サイト『MLB.com』が29日(日本時間30日)、伝えた。
カイケルは2012年にアストロズでメジャーデビュー。16試合に先発するなど頭角を現した。3年目となった2014年に12勝9敗と一気に投手陣の軸へと成長すると、翌15年には33試合登板で20勝8敗の成績でアメリカン・リーグのサイ・ヤングを受賞。メジャーを代表する投手へと登り詰めた。その後も安定した成績を残し、今季も34試合登板、204回2/3を投げて12勝11敗、防御率3.74と、地区制覇の原動力となった。
カイケルは今オフ、アストロズからの1年1790万ドル(約20億円)のクオリファイングオファー(QO)を拒否し、FAとなっている。近年価値が高騰している先発投手の中でも高評価を受けている貴重な左腕で、複数チームが獲得に乗り出すと見られている。
『MLB.com』によると、シンシナティ・レッズ、ワシントン・ナショナルズなどが獲得の有力候補。また、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのパトリック・コービン投手らの動向によってはニューヨーク・ヤンキースが動く可能性もありそうだ。
レッズは若手先発陣の成績が振るわず、先発陣の強化が急務。ロバート・スティーブンソン投手、マイケル・ローレンゼン投手、サル・ロマーノ投手らは本来の力を発揮できていない。また、レッズの本拠地グレートアメリカン・ボールパークは打者有利の球場として有名。フライを多く打たれる投手にとっては本塁打が増えるため、敬遠する傾向にあるが、被ゴロ率の高いカイケルにとっては問題なく適応できる環境だ。
ナショナルズは既にマイアミ・マーリンズからカイル・ベアクロウ投手、セントルイス・カージナルスからトレバー・ローゼンタル投手を補強済み。また、アトランタ・ブレーブスからカート・スズキ捕手を獲得するなど、守備面の強化は進んでいる。
しかし、先発陣はマックス・シャーザー投手、スティーブン・ストラスバーグ投手に続く3番手以降は手薄な現状。FAとなっているブライス・ハーパー外野手が移籍して高額の年俸が浮く場合は、さらなる投手陣の補強に動く可能性は十分にある。
今オフは積極的に補強を行うと明言しているヤンキースもカイケル獲得の可能性がある。シアトル・マリナーズからトレードでジェームズ・パクストン投手を獲得したが、先発投手の補強は完了していない。コービンと交渉することがすでに報じられているものの、カイケルや、ボストン・レッドソックスからFAのネイサン・イオバルディ投手を獲得する可能性も指摘されている。
長期にわたる超高額の契約が見込まれる左腕は来季、どこでプレーするのだろうか。いずれにしても、大勝負に出るチームの一員として、世界制覇に挑むことになりそうだ。