アスレチックス1位指名のマーレイは大学アメフト界のスーパースター。“二刀流”の鍵はあの敏腕代理人
2018/12/06
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オークランド・アスレチックスからドラフト1位指名(全体9位)を受けたカイラー・マーレイ外野手(オクラホマ大学)が大学アメフトで大活躍を見せている。
アメフト選手としての評価が急上昇した今季
米国の大学アメフトはレギュラーシーズンが終了した。マーレイが所属するオクラホマ大学の今シーズンの戦績は12勝1敗。ビッグ12カンファレンスを4年連続で制覇し、全米ランキングは第4位となった。12月29日には、フロリダ州・マイアミで開催されるオレンジ・ボウルでプレーオフ準決勝に進出が決まっている。
マーレイは今季、オクラホマ大学の正クオーターバック(QB)として、パスとラッシュの両面で抜群の成績を残した。8日(日本時間9日)に決定される全米最優秀選手(ハイズマン・トロフィー)の最有力候補の1人として名前が挙がっている。
つい最近まで、マーレイは今シーズンでアメフト選手としてのキャリアを終了し、2019年の春季キャンプからアスレチックス傘下で野球に専念するものと見られていた。6月のドラフト時点では、アメフト選手としてのマーレイは控えQBで、身長約180センチ、体重約88キロの体格は、NFL(プロアメリカン・フットボール)のQBとしては小柄過ぎると多くの人は考えていた。
ところが、マーレイがアメフトで予想をはるかに上回る実績を見せたことによって、メディアにおけるマーレイの存在が急激に大きくなってきた。以前はアメフトもやる野球の新人選手という扱いだったが、現在では野球「でも」ドラフト指名を受けている大学アメフトのスーパースターとしての評価が定着しつつある。
もしマーレイがハイズマン・トロフィーを受賞し、オクラホマ大学が全米王者に輝くようなことがあれば、来年度のNFLドラフトでマーレイが上位指名を受けることは想像に難くない。オクラホマ大学の1年先輩であるベイカー・メイフィールドも大学4年生時にハイズマン・トロフィーを受賞し、NFLクリーブランド・ブラウンズからドラフト1位指名を受けている。
マーレイの今シーズンの成績はメイフィールドが大学時代に残した成績と遜色はない。そのメイフィールドがブラウンズと結んだルーキー契約は4年3268万ドル(約37億円)だ。
マーレイがアスレチックスと結んだ契約金約5億円のマイナー契約は、メジャーリーグのドラフト1位選手としては相場通りであるものの、アメフト選手として得られるかもしれない金額と比べると色褪せてくる。