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守備シフトを禁止?背景には人気低迷も MLBコミッショナーの提言に賛否の声

2018/12/16

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大味な“パワーゲーム”になっていく懸念

 ラスベガスで行われていた恒例のMLBウィンターミーティングが13日(日本時間14日)、終了した。各球団間のFAやトレード交渉は今年も熾烈を極めたが、ブライス・ハーパー外野手とマニー・マチャド内野手の大物2人には目立った進展はなく、全体的に低調だった印象は否めない。
 
 メジャー関係者が一堂に会する期間中、ストーブリーグ以外の話題の一つとしてメディアから注目されたのが「守備シフトをルールで禁止するべきか?」である。
 
 発端は、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが5年前の就任以前から「守備シフトは禁止されるべきだ」と繰り返し主張していて、ウィンターミーティングの前週にも同じ趣旨の発言をしたと報じられたことだ。
 
 守備シフト自体は決して新しい作戦ではない。メジャーリーグでは1946年に早くも「テッド・ウィリアムズ・シフト」が登場しているし、日本でも70年代から既に「王貞治シフト」が行われていた。
 
 かつては、こうして限られた強打の左打者に対してのみ行われた守備シフトだが、2010年代に入ってからは、平均的な打者に対しても極端な守備シフトが布かれる場面を頻繁に目にするようになった。各チームがデータ解析と確率的手法から導き出された守備シフトを採用し始めた為だ。
 
 マンフレッド・コミッショナーのように、守備シフトが野球をつまらなくしているという主張するむきは多い。従来の守備位置ならヒットになる打球が軽々とアウトにされる場面が増え、打者は野手の頭を越えようとフライボールを打ち上げることに躍起になるからだ。
 
 結果としてシングルヒットが減り、野球というゲームがホームランか三振かという大味なパワーゲームになっていくというものだ。守備の要と呼ばれたセカンドやショートストップの重要度が下がるという意見もある。
 
 そうした懸念を裏付けるデータもある。昨シーズンのメジャーリーグの平均打率は.248 で、これは過去最低(.244)だった1972年以来の低い数字だ。その一方でホームランの総数は5585本で、ステロイド時代と呼ばれる2000年前後に並ぶか上回る勢いを示している。
 
 米国大手雑誌『The Atlantic』によると、昨シーズンのゴロによる安打数は過去最低、左打者が右方向に打球を打った際の出塁率も2000年以来最低だった。シングルヒットの年間総数は10年前から3000本近く減っている。

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