MLBかNFLか――アスレチックス1位のマーレイがハイズマン賞 大学最高のQBが選ぶ道に全米が注目
2018/12/22
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昇格保証のないMLBと、巨額の契約金が生まれるNFL
NFLのドラフトで上位指名を受けた場合、初年度から巨額の複数年契約を期待できる。ちなみに、マーレイのオクラホマ大での1年先輩であり、同じくハイズマン賞を受賞したベイカー・メイフィールドがNFLクリーブランド・ブラウンズと結んだルーキー契約は4年3268万ドル(約37億円)だ。
MLBを選んだ場合、マイナーリーグからのスタートとなる。メジャー昇格までに短くても2~3年かかるのが通常であるし、そもそもメジャーに昇格できる保証はない。さらにはフリーエージェントの資格を得るためにはメジャーで6シーズン在籍しなくてはならない上に、それまではリーグが保証する最低年俸に抑えられることが多い。
一般的には野球の方がアメフトより選手寿命が長いと言われるが、それはマイナーリーグでの生存競争に勝ち抜き、メジャーリーグでも生き残った場合である。
経済的な面を考慮するならば、マーレイがアスレチックスと結んだ契約金約5億円を放棄してでも、NFLを選ぶ理由は充分に考えられる。
あるいは、ニューヨーク・メッツ傘下2Aのティム・ティーボウ外野手のように、NFLを引退してからMLBにあらためて挑戦する選択肢も考えられなくはない。メジャー昇格はならなかったが、マイケル・ジョーダン氏も一旦NBAを引退してから、シカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んでいる。
アメフトであれ野球であれ、ファンや関係者の最大の悪夢は、マーレイがプロ選手のキャリアを開始する前にケガをすることだろう。年末年始のボウル・ゲームから目を離せない。
マーレイが所属するオクラホマ大は、12月29日(同30日)にフロリダ州・マイアミで開催される「オレンジ・ボウル」で全米ランキング1位のアラバマ大と対戦する。その試合に勝てば進出する全米チャンピオンシップ戦は、奇しくもアスレチックスの本拠地から近いカリフォルニア州サンタ・クララ市で来年1月7日(同8日)に行われる。