フランク・ロビンソン氏が83歳で死去 史上初両リーグMVP・アフリカ系監督
2019/02/08
Getty Images
フランク・ロビンソン氏が7日(日本時間8日)、死去した。アフリカ系アメリカ人として初めてMLBで監督を務めたパイオニアで、選手としても優れた実績を残した。1982年には殿堂入り投票初年度で殿堂入り。公式サイト『MLB.com』が同日、伝えた。
故ロビンソン氏は、1956年にシンシナティ・レッズでメジャーデビュー。一塁、三塁、外野をこなす強打の選手だった。レッズに在籍した1961年には打率.323、37本塁打、124打点の成績を残し、ナショナル・リーグでMVPを獲得した。1966年にはボルティモア・オリオールズで打率.316、49本塁打、122打点でアメリカン・リーグ三冠王を達成し、リーグMVPを獲得。史上初の両リーグでのMVP受賞経験者となった。
選手としての通算成績は2808試合出場、打率.294、586本塁打、1812打点、2943安打。2度のMVP、14度のオールスターゲーム選出、ゴールド・グラブ賞、首位打者、本塁打王、打点王などを獲得した。通算586本塁打はMLB歴代10位。1982年の殿堂入り投票では、初年度にして89.2%の得票率で殿堂入りを果たした。
1975年からはクリーブランド・インディアンスで選手兼任監督に就任。これがMLB史上初のアフリカ系の監督となった。その後16シーズン、サンフランシスコ・ジャイアンツ、ボルティモア・オリオールズ、モントリオール・エクスポズ、ワシントン・ナショナルズの4球団の指揮を執り、監督としての通算成績は2241試合で1065勝1176敗1分。
故ロビンソン氏の優れた実績、そして素晴らしい人格を振り返り、死去を惜しむ声が多数寄せられている。通算755本塁打の実績を持つハンク・アーロン氏は、自身のツイッターを更新し、思いを綴った。「フランク・ロビンソンと私は野球においての盟友というだけではなく、親友だった。皆ができないと考えることを成し遂げてきたフランクと友達になれたことがとても幸せだ」とした。
アフリカ系の道を切り開いてきた一員として一時代を築いた名選手そして名監督の死去に、全米が悲しみに包まれている。