試合時間短縮の試みとハイテク利用のサイン盗みを禁止。コミッショナーが進めるMLB改革案は人気回復に繋がるか
メジャーリーグ全体の観客数は3年連続で減少を続けており、2018年には1試合あたりの平均観客動員数がついに3万人を下回る事態となった。生き残りをかけて、リーグ全体の人気回復が大きな課題となるなか、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが次々と提言する様々な改革案がメディアで取り上げられ、広く議論を巻き起こしている。
2019/02/22
Getty Images
試合時間短縮
試合時間短縮を目的とした改革案は2つある。1つは投球間隔を制限する「ピッチクロック」と呼ばれるもので、もう1つはリリーフ投手にイニングが終わるまでは3人以上の打者との対戦を義務づける新ルール案だ。
「ピッチクロック」は投手の投球間隔を20秒以内に制限するルールだ。既にマイナーリーグの2Aと3Aでは導入済だ。20秒以内に投球しない場合はボールとなる。コミッショナーはまもなく始まる春季キャンプ期間のオープン戦で「ピッチクロック」の試験導入を行い、今シーズンからメジャーでも正式に導入する可能性も示唆している。
リリーフ投手にイニングが終わるまでは3人以上の打者との対戦を義務づける案については、コミッショナーはまだ議論の段階だとしている。選手会側は導入するにしても少なくとも2020年以降を望んでいる。コミッショナーは「頻繁な投手交代が試合時間を長くすることは明らかだ」と語っている。
上記2つはMLB側から選手会へと提言されている。どちらもコミッショナー権限で導入することがルール上可能であるが、コミッショナーはあくまでMLB機構と選手会が合意することを望んでいる。