菊池雄星、最速95マイル堂々マリナーズデビュー! 「ホッとした」収穫と課題が明確に
2019/02/26
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味方守備のエラーで2失点も2回自責点0
シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が25日(日本時間26日)、アリゾナ州ピオリアで行われたシンシナティ・レッズとのオープン戦に初登板し、先発で2回2失点(自責点0)という結果だった。
菊池は初回、先頭打者のニック・センゼル内野手を右直に打ち取ると、続いて対戦したのはメジャー12年間で通算打率.311、269本塁打、6度のオールスター選出を誇る強打者ジョーイ・ボットー内野手。このボットーに対してはカウント2-2から内角やや高めのカーブで空振り三振に仕留めて見せた。そして3番のロサンゼルス・ドジャースから移籍したヤシエル・プイーグ外野手を一ゴロに抑えて初回を難なく三者凡退とする。
味方打線が3点を先制し波に乗っていきたい菊池だったが、2回は先頭のエウヘニオ・スアレス内野手に四球を許し、続くクリス・オーケイ捕手に対しては味方守備のエラーで無死一、二塁のピンチを招く。そして6番のカイル・ファーマー捕手にカウント1-1から中前タイムリー安打を浴び、ここでも味方らのエラーが絡んでなおも一、三塁。
そして続くフィリップ・アービン外野手は三ゴロ、5-4-3の併殺に打ち取ったが、この間に三塁走者のオーケイが生還し3-2と1点差に迫られた。8番のジョーダン・パターソン外野手を遊ゴロに抑え反撃を食い止めたが、味方守備に足を引っ張られる形でこの日は2回29球(ストライク19球)を投げて被安打1、与四球1、奪三振1、失点2(自責点0)という結果でマウンドを降りた。試合はマリナーズが11-3で勝利を収めている。
試合後、オープン戦初登板を終えた菊池は「楽しかった。初めてにしては納得いくボールも多かった。何よりメジャーの打者を感じられた。(全球種を投げて打者を)押し込めたボールもあったし、変化球はこれから精度を高めていく必要があるが、生命線のストレートが良い形でいけたのが一番」と手応えを口にした。
速球の最速はこの時期にして95マイル(約153キロ)をマークしたが、「毎年『スピードが出なかったらどうしよう』という不安はあるが、まず初戦で95マイルが出たのはホッとした」と安堵した様子。しかし、「セットポジションでカウントが不利な状況で打たれた時は『やはり逃してくれないな』と思った」と対して今後への警戒感も示していた。
「今できる段階でやれることは出せた」と話した菊池。「カーブが抜けたり、スライダーを決めたい時に抜けてしまうことが多い。甘いボールは見逃してくれないので」と課題を明確にしながら、これからもシーズンへ向けて着実にステップを踏んでいく。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部