ヤンキース、田中将大に開幕投手の可能性浮上 昨季19勝右腕が故障…FAから先発補強も
2019/03/06
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セベリーノが右肩炎症を発症、回復に少なくとも2週間
ニューヨーク・ヤンキースのエース右腕ルイス・セベリーノ投手が右肩の炎症を発症したことで、今季開幕投手を務めることがほぼ絶望的となった。これにより、田中将大投手に大役の可能性が浮上している。米公式サイト『MLB.com』が5日(日本時間6日)に伝えた。
セベリーノは昨季に自己最多となる19勝8敗、防御率3.39の成績を残しエースとしてチームを引っ張る活躍を見せたが、この日右肩炎症が判明。回復までに少なくとも2週間を要することになり、既に発表されていた28日(同29日)のシーズン開幕戦の登板に間に合わない可能性が出てきた。
同サイトによると、ヤンキースのアーロン・ブーン監督はセベリーノの開幕投手について「可能性はかなり低い」と発言。回復期間とその後の調整を含めて、復帰まで無理をさせない方針を明かしている。
セベリーノが開幕に間に合わないとなれば、誰が開幕投手を任されることになるのか。同サイトはエース右腕に続くローテーション投手として、新加入したジェームズ・パクストン投手、J.A.ハップ投手、田中、そしてC.C.サバシアを列挙したが、中でも指揮官は「代わりは田中かハップになるだろう」とし、昨季12勝を挙げ、ポストシーズンでも好投した田中の開幕戦登板の可能性を言及した。
さらに同サイトによれば、現在フリーエージェント(FA)となっている通算127勝の左腕ジオ・ゴンザレス投手、あるいは通算104勝の右腕エドウィン・ジャクソン投手の獲得の可能性にも触れ、「情報筋によれば、ヤンキースはゴンザレスを好み、彼と契約するためにエージェントのスコット・ボラス氏と電話で話すかもしれない」と伝えている。
しかし、セベリーノを除けば先発ローテーション投手が固まっているヤンキースにとって、「キャリアで6度しかリリーフ経験のないゴンザレスを獲得すれば、セベリーノが復帰した際にどのように起用すべきかという問題に直面することになる」と獲得の必要性に疑問も投げかけている。
また、同サイトはセベリーノが抜けた穴を緊急策として若手投手で埋めることにもも言及しており、今季メジャー3年目のドミンゴ・ジャーマン投手とルイス・セサ投手、同2年目のジョナサン・ロアイシガ投手とチャンス・アダムス投手の名前を挙げた。それでも、いずれの投手も長期にわたってメジャーリーグの先発として活躍できる保証がないと経験不足を指摘している。
開幕直前で思わぬ事態に襲われたヤンキース。エースを欠く中で、田中がシーズン開幕から救世主、そして新エースとしてチームを救うことができるのか。また、新しくFA市場から先発投手を獲得することになるのか。10年ぶりのワールドシリーズ制覇へ向けて早くも試練の時を迎えている。