“腫れ物”扱いのイチロー。致命的な低打率も日本のファンが期待してしまう「何か」
シアトル・マリナーズのイチロー外野手が「2019 MGM MLB Opening Series」に先駆けて、読売ジャイアンツとのプレシーズンマッチに出場した。24打席連続無安打と不振にあえぐ現状を受け止めながらも、イチローは結果を出す機会をうかがっている。日本のファンは常識を覆すような「何か」を期待して東京ドームへと足を運ぶ。
2019/03/19
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「このチャンスをいただいたことを大変感謝しています」
やはり、日本のファンは彼の「何か」に期待をしてしまうのだろう。
グラウンドに一歩足を踏み入れただけで歓声が上がり、メンバー発表で名前が読み上げられると、カリスマ的なリーダーを迎えたかのような雰囲気に包まれる。独壇場だった来日してすぐの記者会見も……全てが彼のものだった。
「イチローはこういう舞台をたくさん踏んできました。キャンプ中もいい成果でした。そして、チームメイトとともにお互い学びあって、クラブハウスでも楽しく先導をしてくれた」。
シアトル・マリナーズの指揮官・スコット・サービスはそういってイチローを高く評価した。スプリングトレーニングからここに至るまでも「問題ない」と話したほどである。
しかし、当のイチローは冷静にユーモアを交えて現状を語る。
「監督は僕のことに関しては嘘をついていますね。まず、マイナー契約で始まって、(その立場から)東京ドームのフィールドに立つことは簡単なことではなかった。その中でこのチャンスをいただいたことを大変感謝しています。(この開幕)シリーズが終わった1週間後は、振り返ることになるわけですから、今はどの一瞬も大切にして、一瞬一瞬を刻み込みたいと思っています」