“腫れ物”扱いのイチロー。致命的な低打率も日本のファンが期待してしまう「何か」
シアトル・マリナーズのイチロー外野手が「2019 MGM MLB Opening Series」に先駆けて、読売ジャイアンツとのプレシーズンマッチに出場した。24打席連続無安打と不振にあえぐ現状を受け止めながらも、イチローは結果を出す機会をうかがっている。日本のファンは常識を覆すような「何か」を期待して東京ドームへと足を運ぶ。
2019/03/19
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ファンが思い描く不死鳥の残像
我々が彼に、「何か」を期待してしまうのは周囲の目線を簡単に裏切ってしまうからだ。こんなところではできないであろう場面で最高のパフォーマンスを発揮する。そうは言わないだろうというようなことを口にする。裏切りとは、絶望を意味しない。新たなる世界への誘いだ。それをイチローはやってしまうのである。
周囲の目線、固定観念や先入観とは異なる世界で生きてきた。我々が残像として思い描くのは、彼がこれまで窮地から蘇ってきた姿ばかりだ。それほど、彼が残してきたものは大きい。
レギュラーシーズンを前に、24打席連続無安打、打率.065は致命的な数字と言えるだろう。いつ、契約が打ち切られても不思議ではない
でも、レギュラーシーズンが始まれば、また変わるのではないかと思ってしまうものがイチローにはある。
20日から始まるオークランド・アスレチックスとの開幕シリーズ2連戦。
「何か」が起こる。
そう信じて我々日本人は東京ドームへ向かう。
We really expect him(私たちはどうしても彼に期待してしまうのだ)。
氏原英明