イチロー、引退決意は来日直前 今後は「ゆっくりしたいとかは全然ない」
2019/03/22
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チームメイトも最後のイチローに涙
日本、世界を代表する安打製造機として活躍し続けたシアトル・マリナーズのイチロー外野手が現役引退を発表した。
イチローは、21日のオークランド・アスレチックス戦に「9番・右翼」で先発出場。4打席無安打に終わり、8回裏が始まる前に1度守備に就いてから交代し、チームメイト、コーチらとハグを交わし、大歓声を受けながら試合から退いた。ディー・ゴードン内野手、菊池雄星投手ら同僚の涙も光っていた。
試合後には記者会見が行われ、イチローは「今日のゲームを最後に、日本で9年、アメリカで19年に突入したところだったんですけれども、現役生活に終止符を打ち引退することとなりました」と自らの口から発表した。
引退を決意した時期については、「キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね。もともと日本でプレーするところまでが契約上の予定だったんですけど、終盤で結果を出せず、それを覆すことができなかったということですね」と述べている。
また、引退の決断に後悔はないかとの質問に「いやぁ、今日の球場でのできごと、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません」と揺るぎない決意を語っている。
引退後の過ごし方については「ゆっくりしたいとかは全然ないんですよ。多分動き回っています」とコメント。加えて日本の球団でプレーする意思はなかったのかという質問に対しては「なかったですね」とキッパリ言い切った。
最後に「辛いこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気なときにそれに立ち向かっていく、そのことはすごく人として重要なことなんではないかなという風に感じています」との言葉で締めくくり、会見は終了。笑顔も交え、イチローらしさを終始みせていた。
28年のプロ生活に終わりを告げたイチロー。数々の記録を打ち立てた安打製造機の背中は、全て世代へ勇気を与え、これからも輝き続けることだろう。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部