菊池雄星、メジャー初勝利へ力投!王者相手に6回3失点 本拠デビューで味方打線も強力援護
2019/03/30
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試練迎えるも冷静なマウンドさばきを披露
中盤に入った4回、菊池は先頭のマルティネスを速球で右直とし、2回に一発を打たれたボガーツに対しては今度は外角高めの87.2マイル(約140キロ)のチェンジアップで遊ゴロ。ヌニェスはスライダーで二飛に打ち取って、この試合3度目の三者凡退とした。
この菊池のリズム良い投球がさらにマリナーズ打線を勢いづかせる。2点リードで迎えた4回は、先頭の6番ベッカムが右二塁打で出塁すると、ナルバエズも右前安打で続き無死一、三塁。そして8番のライオン・ヒーリー内野手がセンターの頭上を越えるタイムリー二塁打を放って4-1とリードを広げ、なおもチャンスが続いてディー・ゴードン内野手とマレックス・スミス外野手の犠飛で2点追加。この回一挙3得点で6-1とした。
大きなリードをもらった菊池だが、勝利投手の権利が懸る5回は試練のマウンドとなる。先頭の6番デバースに対して速球を打たせて遊ゴロに打ち取ったと思われたが、ベッカムの一塁への送球がわずかに逸れてチャレンジの末にセーフ。この日始めて先頭打者の出塁を許した。続くトラビスにもスライダーを右前へ弾き返され一、三塁。ピンチを迎えるが、ブラッドリーJr.を遊ゴロ、ベッカムが二塁ベースを踏みながら6-3と渡って併殺を完成させた。この間に三塁走者のデバースが生還したものの、続くバスケスを92.5マイル(約149キロ)のカットボールで二飛に打ち取って反撃を1点でしのいだ。
5回に20球を投げ投球数75球に達した菊池は6回、先頭の1番ベニンテンディを速球で二ゴロに打ち取ると、ベッツはカーブで右飛として2アウト。しかし、3番のマルティネスに初球の内角低め、93.5マイル(約150キロ)の速球を捉えられて中堅バックスクリーンへの第1号特大ソロ本塁打となり6-3とされる。それでも、これを引きずることなく続くボガーツをカウント2-2から88.1マイル(約142キロ)のスライダーで空振り三振に仕留めて3アウト。5回に続き失点したが、落ち着いた投球でイニングを完了させてマウンドを降りた。
菊池は7回のマウンドには登らず、ここで2番手投手に後を託した。デビュー2戦目は王者レッドソックス相手に6回86球(ストライク55球)を投げて被安打4(本塁打2)、無四球、奪三振5、失点3(自責点2)という堂々たる投球を見せ、メジャー初勝利の権利を手にした。