菊池雄星、熱投もまさかのメジャー初勝利お預け 守護神が逆転弾浴びマ軍は開幕4連勝ならず
2019/03/30
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2発浴びるも昨季王者Rソックス相手に堂々の投球
シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が29日(日本時間30日)、本拠地Tモバイルパークでのボストン・レッドソックス戦に登板し6回3失点と力投。しかし9回に逆転を許してメジャー初勝利はお預けとなった。
憧れのメジャーリーグ、遂に米国のマウンドを踏んだ菊池。対するのは昨季の王者ボストン・レッドソックスだが、強力打線を擁する相手に臆することなく立ち向かった。
菊池は初回、先頭のアンドリュー・ベニンテンディ外野手をスライダーで空振り三振を奪うと、昨季アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)のムーキー・ベッツ外野手は93.8マイル(約151キロ)の速球で右飛。そして昨季リーグ最多本塁打のJ.D.マルティネス外野手にも速球で右飛に打ち取って三者凡退の立ち上がりを見せた。
マリナーズ打線は直後に1番のマレックス・スミス外野手の第1号先頭打者本塁打を放ち先制し、ドミンゴ・サンタナ外野手もソロ本塁打で続いていきなり2点を菊池にプレゼント。前日に5本塁打を放った打線がこの日も初回から火を噴いた。
援護をもらった菊池は、2回に先頭のザンダー・ボガーツ内野手に91マイル(約146キロ)の速球を捉えられて左中間へ第1号ソロ本塁打を浴びたものの、後続打者に対しては冷静に対処。下位打線を相手に3つのアウト全てを空振り三振で取って反撃を1点でとどめた。
菊池とバッテリーを組むオマー・ナルバエズ捕手のソロ本塁打で1点を追加したマリナーズ。菊池もその流れに乗って3回と4回も三者凡退とし、味方打線は4回にライオン・ヒーリー内野手のタイムリー安打と2つの犠飛で3点を追加。6-1とリードを広げて本拠地に詰めかけた大勢のファンを熱狂させる。
しかし、菊池は勝利投手の権利がかかる5回に試練を迎える。野手のエラーと安打で無死一、三塁のピンチを招き、レッドソックス打線が迫りくるところだったが、ジャッキー・ブラッドリーJr.外野手を遊ゴロ併殺に打ち取って、この間に1点を失うのみにとどめた。
5回を投げ切って勝利投手の権利を得た菊池は6回もマウンドに登り、簡単に2アウトを取ったが、主砲のマルティネスに初球93.5マイル(約150キロ)の速球を弾き返され、バックスクリーンへの第1号ソロ本塁打とされて6-3と詰め寄られる。それでも後続の打者を冷静に打ち取って6回を投げ切った。
開幕2戦目以来、中8日で迎えた試合で菊池はこの日6回86球(ストライク55球)を投げ被安打4(本塁打2)、無四球、奪三振5、失点3(自責点2)の堂々の投球。勝ち投手の権利を持ったままマウンドをリリーフ投手に託してマウンドを降りた。
マリナーズは7回を2番手のマット・フェスタ投手と3番手のザック・ロスカップ投手が無失点とすると、8回はロスカップがクリスチャン・バスケス捕手にソロ本塁打を浴びたものの、1死満塁の場面で4番手のコリー・ギアリン投手がエデュアルド・ヌニェス内野手を投ゴロ併殺に打ち取ってピンチを切り抜ける。
しかし、6-4と2点リードで迎えた9回、新クローザーのハンター・ストリックランド投手が大誤算だった。二塁打と死球などで無死一、三塁のピンチを招き、ブラッドリーJr.は一ゴロに打ち取ったが、なおも1死一、二塁で代打のミッチ・モアランド内野手に対してカウント2-0から速球を完璧に捉えられ、これが右翼スタンドに飛び込む第1号逆転3ラン本塁打。6-7と一気に試合をひっくり返され、この瞬間に菊池のメジャー初勝利が消滅した。
追いかける展開となったマリナーズは、レッドソックス5番手のマット・バーンズ投手に対して、先頭のミッチ・ハニガー外野手が遊ゴロ。この日本塁打を放っているサンタナは見逃し三振に倒れ、最後は代打のダニエル・ボーゲルバック内野手も空振り三振に抑えられて三者凡退となり試合終了。6-7で敗れたマリナーズは34年ぶりの開幕4連勝はならず。菊池は次回登板で改めてメジャー初勝利を目指すことになった。