借金13から世界一も? 低迷するレッドソックス、歴史から見る巻き返しの可能性は
2019/04/15
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巻き返しの可能性は? 1914年の”奇跡”再現なるか
反撃のカギとなるのは、チーム防御率5.80でMLB28位に沈む投手陣の復調だ。特に先発陣の防御率は7.34とMLBワーストで大打撃となっている。昨年12勝4敗のクリス・セール投手が今季は3試合の先発でわずか13回、防御率9.00で0勝3敗。ネイサン・イオバルディ投手も防御率8.40と実力を発揮できていない。リリーフ陣が60回2/3で防御率3.86、ア・リーグ7位とまずまずの数字を残しているだけに、先発陣の復調、若手選手の活躍もしくは補強が急務だ。
先発陣の不振の陰に隠れてはいるが、打線も本来の調子ではない。チーム打率.241はMLB16位と平均以下で、OPS(出塁率+長打率、打者の総合的な攻撃力を示す)も.709とMLB20位に沈んでいる。投手陣の不振の中、この両部門で昨年MLB全体のトップに立った打線が鳴りを潜めては、勝利は遠ざかる一方となってしまいそうだ。
だが、暗い話題ばかりではない。さらに歴史をさかのぼると、1914年のボストン・ブレーブス(現アトランタ・ブレーブス)が開幕からの25試合で6勝19敗と大苦戦。7月中旬まで最下位に沈んでいた。しかし、終盤44試合で驚異の34勝を挙げてナショナル・リーグを優勝したのである。初めて首位に立ったのは実に8月23日のことだった。
この年のブレーブスは勢いそのままにMLB史上初の4連勝でワールドシリーズを制覇。この快進撃は”ボストンの奇跡”として長らく語り継がれている。今季のレッドソックスによる100年以上の時を経た”奇跡”の再現はなるだろうか。