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トミージョン手術は完全な解決策ではない。パイレーツ右腕を襲った突然の激痛

2019/04/26

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大谷、コペックら有望株が完全復活する確率は?

 セイバーメトリクスの先駆者として名高いビル・ジェームズが2003年から毎年刊行しているハンドブックによれば、2018年にはメジャーのロースターに名を連ねる投手の25%以上が過去にトミー・ジョン手術を受けた経験があるという。毎年20名前後の投手が同手術を受け、通常12~16カ月間のリハビリ期間を経て復帰する。
 
 トミー・ジョン手術の成功率は80~90%と言われる。必ずしも手術を受けた全員がメジャーに復帰するわけではないし、復帰したとしても手術前と同じレベルに戻るとも限らない。同ハンドブックはさらに156人の同手術経験者を追跡調査した統計を明らかにしているが、それによれば復帰後に球速が以前と同じレベルに戻る率は年齢に反比例して低くなる。28歳以下なら46%の投手が復帰後は以前より球速が増すが、28歳以上になるとその確率は27%に下がる。
 
 2018年には24歳の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)や22歳のマイケル・コペック(シカゴ・ホワイトソックス)ら若手有望株の速球派投手が同手術を受けた。今年に入っても、19歳のハンター・グリーン(シンシナティ・レッズ傘下)がそのリストに加わっている。3人とも若く、上の統計からすると、復帰後はさらに球速を増してくる可能性が高いグループに属している。しかしながら、その可能性は当然100%ではない。
 
 バーディの突然の故障はトミー・ジョン手術が完全な解決策ではないことをあらためて知らしめることになった。バーディは現在10日間の負傷者リスト(IL)に入っており、パイレーツは再手術が必要となるかどうかも含め、複数の医療関係者に診断を求める意向だとしている。
 
 
角谷剛

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