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BC栃木・北方悠誠、ドジャースとマイナー契約で合意 視察から1週間のスピード契約

2019/05/10

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 栃木ゴールデンブレーブスに所属する北方悠誠投手が、MLBのドジャースとマイナー契約することに合意したことが分かった。北方はビザを取得後に渡米し、アリゾナのキャンプに合流するとみられる。
 
 今季、ストレートの球速が160キロを計測した独立リーグの速球王が海を渡る。北方は高校3年の夏に甲子園に出場。速球を武器に初戦の古川工戦で13奪三振の快投で1回戦を突破すると、2回戦の作新学院には敗れたものの、2試合連続の2桁奪三振をマーク。速球を武器に甲子園を沸かせ、高校日本代表にも選出された。
 
 同年秋のドラフト1位で産声をあげたばかりのDeNAに入団。しかし、ストレートの球速はあったものの、制球難に苦しみ、サイドスローに転向するなど日の目を見ないまま、2014年に戦力外。ソフトバンクと育成契約も交わすも、活躍することはなかった。その後は独立リーグを転々として、今季はBC栃木に入団していた。
 
 関係者の話によると、ドジャース側からの北方へのアクションは今年4月29日に大きく動き出した。担当スカウトが北方のピッチングを視察し、15球のうち7球が99マイルを計測したことに加え、コントロールが大きく改善されていることを確認した。すぐさま国際部のスカウト部長が来日して、GW中に北方のピッチングを見た上で契約交渉に入った模様だ。その時、北方の球速は100マイルを計測したという。
 
 驚くべきは契約までのそのスピード感だ。担当スカウトが4月29日に視察してから契約までは1週間ほどしかかかっていない。その間、北方が投げている球そのものだけではなく、コントロールが改善されている要因までを調査したというから、ドジャース側のスカウティングから契約合意までのプロフェッショナルな仕事ぶりには感心せざるを得ない。
 
 北方はビザを取得後にアリゾナに渡り、ドジャースのブルペンに入って今後の育成方針を決めるという。ドジャースには30人近くの分析担当がチームにいてピッチャーの育成をカスタマイズしていると聞く。おそらく、北方にあった育成を模索していくことになるはずだ。
 
 正式契約となれば、元独立リーグの選手がMLB球団と契約するのは初めてのケースとなる。さらにはマイナーを駆け上がってメジャー契約となれば、野球界に与える影響もそうは少なくないだろう。NPBから2度首を切られ、独立リーグを転々とした。日本の誰もが育てられなかった速球王がアメリカに渡ってどのような投手になっていくのか、注目したい。
 
 
氏原英明



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