「投球効率」ワーストはダルビッシュ有。省エネ1位は韓国左腕・ドジャース柳賢振
2019/05/10
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シアトル・マリナーズやロサンゼルス・ドジャースが40試合を消化し、シーズンの4分の1を過ぎようというメジャーリーグ。アメリカン・リーグ東地区では、昨年の覇者ボストン・レッドソックスが出遅れている間、タンパベイ・レイズが首位を走っている。
レイズが好調を保っている要因の一つに、安定した先発陣の存在が挙げられる。少ない球数で長いイニングを投げられる先発投手は、球数制限が厳しいメジャーリーグを勝ち抜くために重要な存在となってくるが、1投球回あたりの投球数(P/IP)のランキングでは、ヨニー・チリノスとタイラー・グラスノーが2位と3位にランクイン。6勝無敗、防御率1.47と抜群の成績を残しているグラスノーを筆頭に4投手が機能している状態だ。
ここでは、規定投球回に達している83選手(日本時間10日時点)のP/IPランキングを紹介する。まずは上位5投手だ。
▽上位
・柳賢振(ロサンゼルス・ドジャース)13.53
・ヨニー・チリノス(タンパベイ・レイズ)13.83
・タイラー・グラスノー(タンパベイ・レイズ)13.98
・ホセ・べリオス(ミネソタ・ツインズ)14.31
・マルコ・ゴンザレス(シアトル・マリナーズ)14.53
1位は、韓国人左腕の柳賢振。柳はここまで、7試合(44回1/3)に先発し、4勝1敗、1完封、防御率2.03と圧巻の成績を残している。特筆すべきは、四球の少なさで、45奪三振に対してわずか2四球。ナショナル・リーグ西地区で首位を走るドジャースの原動力となっている。
また、今季既に6勝を挙げているホセ・べリオス擁するツインズはア・リーグ中地区首位。マルコ・ゴンザレスのマリナーズもア・リーグ西地区2位と健闘している。P/IPが優秀な選手がいるチームはペナントレースを有利に進めることができていると言えよう。
続いて、下位の5投手。
▽下位
ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)18.95
レイナルド・ロペス(シカゴ・ホワイトソックス)18.80
タナー・ロアーク(シンシナティ・レッズ)18.46
トレント・ソーントン(トロント・ブルージェイズ)18.24
ジャック・フラハティ(セントルイス・カージナルス)18.10
同ランキングのワーストはカブスのダルビッシュ有。今季8試合(36回2/3)を投げ、2勝3敗、防御率5.40の成績で、奪三振は柳に劣らぬ44個を記録しているのに対し、四球は33個と球数の浪費が顕著にあらわれている。
打たせるタイプか三振を取るタイプかに二分すると、ダルビッシュは後者であり、前者よりも球数を要するスタイルではある。しかし、要所で三振を取る投球はそのままに、それ以外のところで打たせる場面を増やすことができれば、投球は様変わりするはずだ。
ダルビッシュもその形を模索してか、現地4日の試合ではツーシームを多投した。結果として痛打される場面が目立ったが、精度が上がれば大きな武器になる。ナ・リーグ中地区首位を走るチームだが、2位とゲーム差はわずかに1。逃げ切るためにはダルビッシュの力が必要となるだろう。
▽日本人先発投手のP/IP
田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)15.02
菊池雄星(シアトル・マリナーズ)15.46
前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)15.72