ゲレーロJr.、三塁守備で強肩連発&打球速度は今季MLB2位の191キロも記録 超有望株のここまでと今後の展望とは
2019/05/13
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復調の兆し、そして今後の展望とは
11日(同12日)のシカゴ・ホワイトソックス戦では2打数2安打2四球と打撃面で結果を残した。特に、この日の初打席で放った左前への安打は、「スタットキャスト」によると、初速が118.9マイル(約191キロ)を記録。これは今季MLBの全打球のうち、2番目に速い打球だった(1位はニューヨーク・ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手の120.6マイル=約194キロ)。また、三塁線ファウルエリアからのジャンピングスローも披露し、攻守に躍動した試合となった。
12日(同13日)は、デビュー戦以来の長打となる二塁打を記録。守備では痛烈なゴロをバックハンドでワンバウンド捕球し、体を一回転させて立ち上がってからノーステップでの力強い送球を披露した。
ここまでの打撃成績は13試合出場、47打数9安打で打率.191、0本塁打、1打点。二塁打は2本、四球6、三振12、0盗塁。出塁率は.283、長打率は.234で、この二つを足し合わせたOPSは.517となっている。データ収集サイト『ファングラフス』によれば、デビューから11日(同12日)までにおける、ゴロ性の当たりの割合が65.6%となっており、これを減らしてライナー・フライ性の強い打球を増やしていくことが求められる。打球速度には圧倒的なものがあり、ここに打球角度が加われば長打の増加が見込めるためだ。また、ボールゾーンへの投球をスイングする割合は28.4%で、こちらの数値を改善していく必要性もありそうだ。
守備面では、同期間に107イニング守備につき、エラーは打球処理の際に2個。守備率は.933、UZR(アルティメット・ゾーン・レーティング、同ポジションの平均的な野手が守った場合に比べてどのくらい失点を減らしたかを示す指標)は0.3とプラス値だ。これらの数値は、長期間で分析することが必須条件であるため、現時点で「良い・悪い」と断定するのは早計だが、見る者を虜にする身体能力は証明済み。残る課題は、将来的に、長いシーズンを戦い抜いてもパフォーマンスが落ちない、一流の体力を身につけられるかどうかだろう。
MLB通算で2147試合出場、打率.318、449本塁打、1496打点という圧倒的な実績を持ち、素手でのバッティングやいわゆる「悪球打ち」でも知られたブラディミール・ゲレーロ氏の息子。そんな高い、高いハードルを課せられた20歳の有望株は、どんな進化を見せてくれるのだろうか。