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菊池雄星、鬼門“休息明け5戦目”で最短KO 研究し尽くされ痛感したローテ継続の難しさ【雄星リポート第12戦】

 シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が25日(日本時間26日)、敵地オークランド・コロシアムでのオークランド・アスレチックス戦に先発出場し、3回1/3を投げ4失点で今季2敗目を喫した。メジャー12戦目にして、ショートスタートを除いては最短イニングでの降板だった。

2019/05/26

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今季3度目の対戦。顕著に表れた狙い打ち

 菊池は序盤からストレートが走らずに苦しいピッチング。カーブを中心に組み立てるも、3度目の対戦となるアスレチックス打線は、そんな菊池を見透かすかのようにアジャストしてきた。10安打中4本がカーブを狙い打たれたもので、ストレートの精度が悪かっただけに、序盤から苦しかった。
 
 これがメジャーで投げていく難しさと言えるのかもしれない。
 試合開始から、アスレチックス打線は明らかに菊池対策を講じていたからである。
 
 菊池は1回裏、先頭のルーカス・セミエン内野手に左前安打で出塁を許す。続く、2番のチャド・ピンダー外野手は三ゴロの併殺打に打ち取るのだが、カーブを強振してきてのもので、この時点で既にアスレチックスの打線が菊池への意識をかなり高く持っていたことがうかがえた。
 
 その中で、続く3番マット・チャプマン内野手はカウント3−1から甘く入ったストレートを右中間へ放り込まれた。打者有利となって、菊池がカウントを整えようとしたところをしっかり捉えられたものだった。
  
 菊池は2回こそ無失点に乗り切ったものの、1−1の同点直後の3回裏は、1死からピンダー、チャップマンにカーブを続けて打たれてピンチを招く。4番のマット・オルソン内野手を討ち取るも、2死満塁からジュリクソン・プロファー内野手には内野安打を浴びて勝ち越しを許した。

 再び同点となった4回裏は、先頭のラモン・ローレアーノ外野手に右二塁打で浴びてピンチになると、1死一、二塁から1番のセミエンにカーブを左前に運ばれて1失点。2番のピンダーにはスライダーが甘く入ったところをうまく左翼線に落とされてさらに2失点。菊池はここでマウンドを降りた。
 
 メジャー12戦目の登板となった今回は、今後へのいい物差しになるだろう。
 というのも、メジャーデビューから菊池はローテーションを守ってきた。先駆けて開催した日本での開幕ゲームを別におくと、3月29日(同30日)から中4、5日のローテーションを守ってきたが、6戦目のロサンゼルス・エンゼルス戦は中4、5日を守って5試合目。この際、ピッチング内容がいつもの菊池らしくはなかったのだ。この日は、打線の援護もあって初勝利を掴んだものの、ローテーションを継続していく難しさを痛感した試合でもあったのだ。
 
 そして12戦目のこの日も、ショートスタートで先発したテキサス・レンジャーズ戦を挟んで、エンゼルス戦と同じ5試合目の登板だった。つまり最も疲れが出てくるところだったのだが、この日も調子が優れず、さらには相手打線の研究に洗礼を食らったというわけだ。
 
 4回途中74球での降板はメジャーに入ってから、ショートスタートを除けば最短になる。また、試合の中で球種を絞られたことはあっても、これほどチームが狙いを定めて狙い打たれたことは過去にはなかった。日本での開幕ゲームから3試合目のマッチアップでアスレチックスが講じてきたという事実が、メジャーで勝ち残っていく難しさを物語っているとも言えるだろう。
 
 次回、菊池の登板は30日(同31日)のエンゼルス戦が濃厚だ。
 大谷との対決が注目を浴びるが、この日はショートスタートの先発になるから1打席のみの対戦だろう。少しの休息を挟んでから、また次の5戦へ臨んでいくことになるが、どういうピッチングを見せていくのか。
 
 メジャーリーグのスターターとして生き抜いていくための新たな課題を突きつけられた12戦目だった。



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