唯一の“大谷型二刀流”マッケイ、「投手」好調で3Aに昇格 二刀流育成の課題は投打のバランス
2019/05/29
『MiLB.com』のスクリーンショット
打撃不振も投手としては2Aに留まる理由なし
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)に続く二刀流選手として期待されるタンパベイ・レイズ傘下ブレンダン・マッケイが3Aに昇格した。3Aインターナショナル・リーグに所属するダーハム・ブルズに合流した直後の試合に指名打者(DH)として出場した後、5月28日(日本時間29日)には投手として先発登板を果たした。
マッケイは2017年ドラフト全体4位でプロ入りした。今シーズンの開幕を2Aモンゴメリー・ビスケッツで迎え、それから僅か2カ月も経たないうちのスピード昇格となった。MLB公式サイトの有望株選手ランキングでは29位につけており、メジャー昇格へさらに一歩近づいた。
主に1Aと 1A+に在籍した昨シーズンから、マッケイの課題は打撃成績だった(昨シーズンは打率.214、OPS.727)。そのため、昨年まで守っていた一塁手の守備の負担を無くし、今シーズンからは打者としては指名打者のみで起用されている。
だが、マッケイが2Aで打者として出場した23試合の成績は打率.167、OPS.448という惨憺たるものだ。昇格どころか、下のレベルに降格されてもおかしくない。
それでもレイズがマッケイを昇格させたのは、投手としての成績が2Aでは群を抜いていたからだろう。7試合に先発登板し、3勝0敗、防御率は1.30。41回2/3を投げて奪三振数は62個、与えた四死球は僅かに9個だ。直近では20イニング連続無失点を継続中だった。
投手のパフォーマンスを測定する上で重要視されているWHIP(投球回あたり与四球・被安打数合計)の数値は0.82だ。今季のメジャーでも規定投球回を満たし、かつマッケイより優れた数値を残しているのはヒューストン・アストロズのジャスティン・バーランダー(0.74)しかいない。
奪三振率(9イニング換算の奪三振数)に目を向けても、マッケイの13.4を上回るのはやはりヒューストン・アストロズのゲリット・コール(14.07)のみである。無論、2Aでの成績をメジャー投手のそれと比較しても意味はないが、投手としてのマッケイが既にこのレベルに留まる理由はないほど並外れていることは明白だ。