ヤンキース・ジャッジ、練習再開! チームに帯同し続ける主砲に指揮官は「ミーティングで大きな存在感」
2019/05/31
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ニューヨーク・ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジ外野手が左脇腹の故障からの復帰を目指し、練習メニューを徐々に増やしていることがわかった。また、指揮官アーロン・ブーン監督は、現在試合出場や全体練習への参加がないながら、チームに帯同し続けるジャッジの存在感について語っている。米公式サイト『MLB.com』が30日(日本時間31日)、伝えた。
主力として3年目のシーズンを迎えたジャッジだが、4月20日(同21日)のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で脇腹を痛めて負傷交代。けが人が続出していたヤンキースの悪い流れに乗るように、10日間の負傷者リスト(IL)入りを余儀なくされた。その後も復帰時期は未定とされたまま時間だけが過ぎているが、『MLB.com』によればジャッジの現状は悪い状態ではないと見られ、もしも早期復帰が叶えば大きな好材料となりそうだ。
ジャッジに代わって主に右翼手のポジションに入っているのは24歳のクリント・フレイジャー外野手で、今季ここまで打率.270、10本塁打、28打点でOPS(出塁率+長打率)は.839と攻撃面では優秀な成績を残している。しかし課題は守備で、データサイト『ファングラフス』によると、ここまで157回2/3を守ってエラーが既に2個、守備率は.929と、160回1/3でエラー0だったジャッジに比べるとやや不安な数字。また、フライを”お見合い”し、味方の田中将大投手が激昂する場面もあった。
しかし、UZR(同一リーグの平均的な野手が守った場合と比べてどれだけ失点を減らしたか示す指標)はここまで1.2(ジャッジは1.3)となっており、送球で進塁を防ぐ能力はジャッジに引けを取らないという評価だ。ヤンキースとしては、いわばジャッジの”代替選手”として起用し始めたフレイジャーがここまで機能することがわかり、ポジティブに捉える声が多く上がっている。
そんなフレイジャーの躍進や、けが人が続出しながらも首位に立つチームを支え続けているのはジャッジだという。自らは試合に出場できない状態ながら、離脱後も常にチームには帯同。ティー打撃やスローイングも徐々に解禁しており、復帰の時期がそろそろ決まってもおかしくはない様子だ。
『MLB.com』によれば、ブーン監督は「ジャッジは本当に大事な選手だ。野手陣のミーティングには常に参加するし、勝っても負けても試合後のミーティングではしっかりと話し合う。チームの全員にとって重要な存在になっている」とコメントしている。
ジャッジ自身も現状について「試合に出ているメンバーが活躍し、チームが勝利するのを見ているのが楽しい」とポジティブに語っており、チームの雰囲気が良いことを強調。また、けが人が続出したことで順位が落ちるとの見方を覆す躍進には「(けが人が出れば)すぐに次の選手の準備ができていることは初めからわかっていた」とコメント。さらに、「このチームはスペシャルだということは開幕前からわかっていはいたが、こうやって現実になっているのを目の当たりにすると改めて感じる。復帰するのが待ちきれないよ」と意気込みを語った。
ジャッジの他にもディディ・グレゴリウス内野手、ジャンカルロ・スタントン外野手、ミゲル・アンドゥハー内野手、ルイス・セベリーノ投手、デリン・ベタンセス投手ら、主力を多数欠いているヤンキース。主力の復帰、そして”代替選手”のさらなる奮起が融合すれば、世界一の栄冠も現実味を帯びてくるだろう。