エンゼルス・大谷翔平、復調のポイントは? 上がらない打球、初回の打率は0割台と低迷
2019/06/03
Getty Images
「ボールの上を叩いている感じ」
大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)の状態が上がって来ない。現地5月27日(日本時間28日)~6月2日(同3日)にかけての週間成績は27打数6安打、打率.222と伸び悩み、シーズン通算成績も打率.225、OPS.630と落ち込んでいる。
大谷自身のコメントにもあるようにとにかく打球が上がらない。現地5月31日(同6月1日)の対シアトル・マリナーズ戦では10試合ぶりとなる第3号ホームランを放ったが、その1本も角度20度という弾丸ライナーによるもの。試合後のコメントも「最近打球が上がっていないので、(スタンドへ)行くのか分からなかった」と満足気な様子はなく、「結果として上がっている打球は比較的ヒットやホームランになっているので、そのあたりだと思っています」と続けている。
この打球が上がらないという点に関しては5月28日(同29日)の対オークランド・アスレチックス戦後に「ボールの上を叩いている感じ。ポイントが少し前になっている。もうひとつ遅らせてバットを下にいれればもっといい打球が打てるのだが」とコメントしている。昨シーズンのゴロアウトとフライアウトの比率が1.20:1だったのが、今シーズンは1.65:1と広がっており、アウトの質も上げていくことが求められる。
大谷自身が自分の課題を自覚している中でも成績が伸び悩んでいるのは、やはり相手チームの研究のせいであろう。データサイト『ファングラフ』で大谷への配球チャートマップを見ると、右投手と左投手では攻め方が大きく異なることが分かる。
右投手で目に付くのは、ストライクゾーン真ん中からやや外側に直球系のボール、内角にスライダー、そしてボールゾーンへのチェンジアップだ。一方で、左投手は、ボールゾーンも含めた真ん中高めに集められた直球系のボールと、外角低めへのスライダーが目に付く。球種、高低差、そして左右の幅など、あらゆる技を駆使して大谷を幻惑させている。