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無死満塁で敬遠、アメフトでは州記録…驚異の身体能力をもつ2019年度MLBドラフト全体1位の捕手とは

2019/06/05

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 MLBのドラフト会議が6月3日(日本時間4日)に始まった。昨シーズン最低勝率のボルティモア・オリオールズから2019年度の全体1位指名を受けたのはオレゴン州立大3年のアドリー・ラッチマン捕手(21)だった。捕手が全体1位指名を受けるのは2001年のジョー・マウアー以来、MLBドラフト史上5人目のことだ。
 

強肩強打のスイッチヒッター

 ラッチマンは身長約188センチ、体重約98キロ。右投げのスイッチヒッターだ。2019年の大学野球レギュラー・シーズンで打率.411、OPS1.326の驚異的な打撃成績を残しただけではなく、盗塁阻止率も48.1%と守備でも高いレベルを誇る。Pac-12リーグでは最優秀選手に選ばれ、全米アマチュア野球の最優秀選手に贈られるゴールデンスパイク賞でも最終候補に残っている。
 
 オハイオ州立大は昨年のカレッジ・ワールドシリーズで優勝し、全米一に輝いている。その年の同大学チーム内にはシカゴ・ホワイトソックスから1位指名を受けた(全体4位)ニック・マドリガルを始めとして、ドラフト指名された選手が5人いて、その5人の契約金は合計で13億円を超えた。
 
 ラッチマンはその豪華メンバーの中でも2年生ながら正捕手として5番打者を任され、カレッジ・ワールドシリーズでは歴代最多記録となる17安打を放ち、最優秀選手賞を受賞している。また、7月に行われた日米大学野球選手権にも全米代表メンバーとして出場している。
 
 ラッチマンの凄さを象徴する出来事がドラフト直前の5月31日(同6月1日)に全米大学野球西地区予選となるシンシナティ大との対戦時に起きた。7回裏2-5で3点リードされていたオレゴン州立大が無死満塁のチャンスを迎え、ラッチマンに打席が回ってきた。するとシンシナティ大はなんとラッチマンを申告敬遠で歩かせる戦術に出た。無死で1点を献上してでも、逆転ホームランを打たれることを恐れたのだ。
 
 結果としてシンシナティ大はその試合を7-6で勝利しているので、この前代未聞の作戦は功を奏したと言える。オレゴン州立大は翌日の敗者復活戦でも敗れ、今年はカレッジ・ワールドシリーズ進出の夢を絶たれている。
 

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