プライドを捨てた元サイヤング賞男 ジャイアンツ青木宣親の同僚リンスカムが再び注目
ナショナルリーグ西地区は大本命のドジャースに、積極補強のパドレス、そして昨年のチャンピオンのジャイアンツと大混戦となっている。開幕スタートダッシュに失敗したジャイアンツも首位ドジャースを猛追。08、09年と2年連続サイヤング賞を獲得した右腕が、現地で再び注目を浴びている。
2015/05/27
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一気に盛り返したジャイアンツ
やはり、ナショナルリーグ西地区は面白い。
大本命のドジャースに、積極補強のパドレス、そして昨年のチャンピオンのジャイアンツ。一癖も二癖もあるチームが揃い、当初の予想通り大混戦となっている。
その中で5月に入るや否や、一気に順位を上げてきたのがジャイアンツ。4月は投打の歯車がかみ合わず、9勝13敗とスタートダッシュに失敗。しかしながら5月に入ると湿りがちであった打撃陣のバットが火を噴き始めた。5月の月間成績は17勝7敗(26日時点)。首位のドジャースに2ゲーム差まで迫ってきた。
当初、ジャイアンツの前評判は決して高くはなかった。主力選手であったP.サンドバルがFAで去り、またハンター・ペンスが怪我で開幕アウト。さらに先発投手の層の薄いことも懸念されていた。ただ、さすがチャンピオンチームだ。名将ボウチー監督をはじめ『勝ち方』を心得ている。粘り強い戦いで勝利を積み重ね、徐々に調子を取り戻してきた。
もちろん、ジャイアンツが復調してきた要因に『投打のキーマン』が存在することを忘れてはならない。
『打』のキーマンは、現地でも評価が急上昇中の青木宣親だ。
GMのセイビアンは、昨年ロイヤルズの躍進に貢献した青木に目をつけ、トップバッターに据えた。これが見事にフィットし、開幕からコンスタントにヒットを量産。左投手も全く苦にせず、安定感のある打撃を披露している。
5月25日のブリュワーズ戦では、4打数4安打2打点1本塁打の大当たり。試合が行われたミラーパークは、ブリュワーズ時代の2012、13年と2年間過ごし、勝手知ったる庭の様なもの。球場の特性も理解しており、青木自身お気に入りの球場だ。
この日の大爆発ぶりに監督であるボウチーは、
I want 30 home runs from Aoki this season.
今シーズン、私は青木には30本塁打を期待している
とジョーク交じりにコメント。メジャー4年間で21本塁打の青木にはやや荷が重いかもしれないが、監督からの信頼はかなり厚い。
ちなみに青木はこの監督の要望に対し、「Of course!(もちろん!)」と答えたそうだ。