好調・大谷翔平、最終課題は“打球の角度” 両リーグワースト10の数字、本調子はまだまだこれから
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、好調を維持している。現地6月10日(日本時間11日)~16日(同17日)にかけての一週間で、サイクル安打を含む打率.450、2本塁打、5打点と好成績を残した。メジャーのレベルにアジャストしてきた大谷に残された課題は、打球の角度にある。
2019/06/17
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今週は飛球による凡打なし
そうすると、残る課題は打球をいかに“上げる”かだ。今季大谷が打球をバレルゾーンに入れたのは12回。これは大谷が放った全打球の12.8%に当たり、この数値自体は他の長距離砲プレーヤーと比べても特に遜色ないものであるが、打球の平均角度が2.5度と極端に低く、この数値は、打球を50回以上インフィールドに放った全選手の中でもワースト10に入るものである。
現在、アメリカン・リーグの本塁打ランクトップのエドウィン・エンカーナシオン選手(ニューヨーク・ヤンキース)の21.7度、ナショナル・リーグ本塁打ランクトップのクリスチャン・イェリッチ外野手(ミルウォーキー・ブルワーズ)の12.9度、同僚のマイク・トラウト外野手の19.9度といったスラッガーたちと比べても著しく低い。
打球が上がらないということについては、5月28日(同29日)の対オークランド・アスレチックス戦後にも「ボールの上を叩いている感じ。ポイントが少し前になっている。もうひとつ遅らせてバットを下にいれればもっといい打球が打てるのだが」とコメントしていたが、今週の全11度の凡退の内訳を振り返っても、三振が6、内野ゴロが5と、飛球による凡打は皆無だった。大谷のパフォーマンスが上昇傾向にあるのは間違いないが、アウトの質を高めていくこと含め、大谷の試行錯誤の日々はもう少し続きそうだ。
高橋康光